振り返って
いまから、ちょうど一年前。
今建てている、クィーン・アンの最初のプラン提示がありました。
それはとても美しく魅力的なデザイン。
形は少々変わりましたが、基本デザインは変わりません。
なにを思って最終的に、今の家を建てることになったのか、思い返して見ました。
私たち夫婦が初めて住宅展示場に足を運んだのは、結婚する前のこと(約10年前)、まさに趣味の世界でした。
家というと、住む場所なので、機能性、快適性を、まず考えると思います。
車が好きなわたしは、車のスペックを比較するように、いろいろな工法や材料、快適な機器、まずそういうものに目が行きました。
グラスウールの性能は?ロックウールは?ウレタンは?
外壁の性能は?
外観に関しては、モダンな家が、魅力的で、そういうものしか目に入りませんでした。
奥様は、たくさん海外を旅行していたのもあって、輸入住宅のデザインがそのころからずっと好きだったようです。
やがて、時間が経つにつれて、ハウスメーカーのモデルはいろいろと変わっていきます。
車と同じように新しいデザインの新商品が発売させると同時に、今ままで見てきたものは前のデザインの商品となっていくのです。
町を見回して見れば、むかし最先端だったデザインであろう、ハウスメーカーの古い建物が多くあることに気づきます。
家にとってデザインは、非常に重要であるということに気づきました。
車のように、数年後ごとに乗り換えることのできないものなので、ずっと変わらないデザイン価値の高いもの、そういうものが、私たちの家選びにとって重要だということに気づきました。
いいデザインは、日本の建物でも、海外の建物でも、いまも変わらず魅力があります。
それは古民家だったり、海外の美しい町並みだったり。
オーソドックスなデザイン、バランスのとれたデザイン。
均等にならんだ柱や窓。
そういうものは意外と重要なんだと思うようになりました。
そういう視点から家づくりを考えるようになったのです。
輸入住宅というくくりで検索すると、住宅展示場にはない会社も多くあることに気づきます。
わたしたちは、かたっぱしからいろいろな見学会に参加し、どのような家を建てているのかを、よく観察しました。
輸入部材を使って家作りをしているが、出来上がったものは美しくないものも多くありました。
部材の魅力もあるが、それだけではだめで、やはりいい設計者がいることも重要なのだと感じました。
いろいろ見るうちに、会社は大きくありませんが、高いコダワリを持って仕事をされているかたと多く出会い、信頼できる会社を選ぶことの重要性も感じました。
見学会でいろいろなお話を聞けば、どのようなコダワリをもって仕事をされているか、知ることもできます。
家は工業製品ではないので、(工場で作る家もあるので一概には言えませんが)同じ部材でも、職人や監督、会社のの方針などによって、大きくできあがりが左右されます。
そういうものを踏まえて、3つの会社に絞り、最後にいまの会社にお願いすることを決めました。
デザインの重要性のことを書いてきたのですが、もちろん家の性能も重要です。
吹き付け断熱や遮熱材、樹脂サッシ、空調設備など、コストの許す限り多くを取り入れています。
今思うのは、できるだけ多くのものを見て、いろいろ感じて、多くの知識を得ることで、後悔のない家作りができている気がします。
家作りを始められる方は、なんとなくではなく、自分たちがどんな家がほしいのか、まずじっくり考えるのがいいかと思います。