りくの手術が決まった。
今日はその、検査日。

まず採血。最初から採血なんて…。
痛い思いさせることに、まだ手術の迷いが生まれる。
本当に辛い思いをさせてまで、させることなのか。
本当に必要な手術なのか。

でも、もどらない理由が私にはある。
義母が旦那に手術させてあげなかったせいで、旦那の視力は失われた。
だから、自分の息子には絶対、そんなことはさせない。
必ず後悔のないような人生を送らせることを誓った。

採血、なかなか血管が浮き出てこなくてすごく泣いていた。
心が痛くて締め付けられる。
子供に愛情がなくて、義務感で育ててるって言う人がいて、あながち気持ちも分からなくもなかった。
そう思うってことは、自分もそうなのかも。そう思ったけど、
我が子が目の前で針刺されながらひどく泣いてる。
それだけで、こんなに辛くてしんどくて、自分が泣きそう。
お母さんも頑張りましたねって、看護婦さんに言われてまた泣きそうに。

レントゲンを撮影するのに、妊婦である私は一緒に入れない。
扉の向こうで大きく泣いているのは、他の子の泣き声なんかじゃなくて、紛れもなくりくの声だ。
そう思うだけで、こんなに押しつぶされそう。
終わって扉が開くと同時に駆け寄る私。
こんなことで、手術の日は大丈夫なんだろうか。


私、ちゃんと子供に愛情あるんだ…。
だって、息子が泣いてるだけで、こんなに私も泣きそうに。
汗だくのまま、息子を抱きしめる。
会計に行かないといけないし、入院手続きもまだ、
その上もうすぐ駐車料金がかかってしまう。
なのに、もうそんなのどうでもいい。
もうしばらくだけ、息子をこうやって抱きしめていたい。
涙を抑えるぶんだけ、息子を抱きしめていた。