りくの手術が、終わった。
麻酔をかける時、あんなに泣くとは思わなかった。
りくが泣き叫んでるのに、それを抑えなきゃいけない。
気が遠くなるのを、ちゃんと最後まで見てなきゃいけない。
こんなに、こんなに悲しいことが、この世の中にあるんだろうか。
そこまで思っていた。
手術を待っている間も、思い出しては涙が出る。
どうか無事でいてくれと、心から願っていた。
知らなかった。
あの時、りくが生まれて黄疸が出て、光線治療をしていたときも、
そんなに泣くことはなかったのに。
こんな気持ちになったのは、私がもう、完全にりくのママになったからだ。
手術は無事に終わった。
りくは私を見るなり、まだ起き上がれないのに私の方に起きあがろうとしていた。
その姿を見て、心の中から愛しさが沸き起こる。
ごめんね。こんな手術受けさせて、本当にごめん。
そんなことばかり、考えてしまっていた。
でもこの体験が、きっと将来にはいい結果をもたらしてくれたと母は信じているのです。
これから始まるあなたの明るい未来に、この経験はきっと大切なことだった。
りくの無事を喜びながら、ママはお腹の子にも同じように、守ってあげるからねと心で呟くのでした。