退院して実家に里帰りすると、りくは実母に懐いていた。
私のことを、避けるほどに。
それでもめげずに、お風呂に一緒に入ったり、ご飯をあげたり、寝かしつけをしたり、お昼寝したり…母親なりに頑張ってきたつもりだった。
それでも、甘やかす実母には、敵わない。
こんな、はずじゃなかったのに。
あんなに辛かった、りくの手術も、りくと一緒だから乗り越えてきたのに。
それを上回るほど、りくの中では、母親の私はいないことになってるんだね…。
りくのことに一生懸命で、下の子をゆっくり可愛がってみてあげられる余裕すらない。
新生児期は、あっという間に終わってしまうのに。
下の子には、私しかいないはずなのに。
本当は、退院したら、りくよりも下の子を見て欲しかった。
その間に、りくとの今までの隙間を埋めたかった。
どうして周りの誰もが、その時間を奪っていくんだろう。
私が産んだ、息子なのに。
入院するまでは私にベッタリだった息子がいつまでも懐かないことに、苛立ちが募る。
どうして、私はこんなに嫌われてるんだろう。
私が切迫早産になったのがダメだった?
逆子体操をもっと頑張ればよかった?
私が…
このままりくが、私を避けたままだったら、
私はどうなってしまうんだろう。
キライになりたくない…
「りくがママのこと嫌いでも、ママはりくのことが大好きだよ」
そう心から、言えたらいいのに。
実家にりくをやるつもりは毛頭ない。
でも今、何もかもを放棄したい…そこまで、もう何も考える余裕すら、私には残されていない。