問題
B会社に勤務するAは、B会社が製造する製品の原材料の仕入れに関する代理権を有していたが、遊興費欲しさからその権限を濫用してYから原材料を購入し、これをZに転売してその代金を着服した。B会社がYの代金請求を拒むことができるのは、どのような場合か。
ポイント①
代理人が本人の利益のためでなく、代理権を自分自身もしくは第三者の利益のために行使することを、代理権の濫用という。
ポイント②
Yが、Aの真意について、
1)善意の場合・・・AがB会社のために取引をしていると考えるため、通常通りB会社に商品の代金を請求できる。
2)悪意の場合・・・B会社は、Yの請求を免れることができる。
相手方が代理人の意図を知り、または知ることができた場合に限り、本人は責任を負わない。
(最判昭42.4.20)
民法93条但書きの類推適用
(心裡留保)
93条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、または知ることができたときは、その意思表示は>無効とする。
解答
Aが自己の利益を図る目的でYと取引をしていることを、Yが知り又は知りえた場合。