問題
未成年者Aは、親権者Bの同意を得て自己所有の動産をCに売却し、受領した代金の一部を遊興費として使用した。その後、AC間の売買契約が詐欺によるものであることが判明した場合、Aが右契約を解消するには、どうしたらよいか。また、契約を解消したAは、Cに対しどのような義務を負うか。
ポイント①
Aは、Cの詐欺を理由に契約を取消すことができる。
民法
96条 詐欺または強迫による意思表示は取消すことができる。
Cは、売買代金をAに支払って買主として義務を履行しているため、債務不履行を理由とする契約の解除はできない。
民法
541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。
ポイント②
Aは未成年だが、親権者Bの同意がなくても、単独で契約を取消すことができる。
民法
120条 行為能力の制限によって取消すことができる行為は、制限行為能力者またはその代理人、承継人もしくは同意をすることができるものに限り、取消すことができる。
ポイント③
Aの取消しにより、契約は初めから無効であったものとみなされ、Aは受領した代金をCに返還しなければらない。ただし、Aは未成年で制限行為能力者であるため、現に利益を受けている限度でのみ返還義務を負う。
民法121条
取消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
解答
Cの詐欺を理由に契約を取消すことができ、現に利益を受けている範囲で返還の義務を負う。