43 | MANNISH BOY

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この谷に入るのは、今シーズン初だな。


MANNISH BOY-1
堰堤の下inageman、山桜が終わる


冬の気配は感じないけど、春も足踏みをしている。


MANNISH BOY-5
河畔林の芽吹きも遅い、イワガラミは芽吹く


水量が多い。

流れの中からは仄青いあめごが出てくる。

ポケットにはさびを残したあめごがいる。


MANNISH BOY-2
冷たい水の中で進む季節


ぼくらの釣りはゆっくりだ。

急がない、がつがつしない。


MANNISH BOY-4
背中に伝わる地熱、コーヒーを飲むinageman


休憩時間はぜいたくに、コーヒーを飲むまで終わらない。


MANNISH BOY-3
様変わりした淵だがあめごはいつもの場所に


春先からずいぶんと水が出たようで、淵が消えたり、また新しくできたりしている。


MANNISH BOY-6
大きな桂が並ぶ、流れが根元を洗う


それでもあまごもいわなも約束した場所で待っている。

上流部の桂の木が並ぶ場所が好きだ。


今日はあめごを少しだけ食べる。

デスラーがシシ鍋を用意してくれた。


MANNISH BOY-7

分厚いしし肉、あめごは骨まで


キトはケーキを持ってくる。

疲労祭りは白髪が増えた。


MANNISH BOY-8
ケーキとぼく、ビールを重ねるデスラー


また生まれた日がやってきた、また終わりの日が近づいた。

喜びでもない、悲観はしない。

ただいつもと少しだけ違う特別な日であればいい。