コムソモリスクで働く日本人の方々へインタビュー!!(下) | 日本ロシア学生会議のブログ

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こんにちは。

-8度の電光掲示を見て今日は暖かい、と素で思うようになったまっつんです。

前回分量の都合から(わざと)いいところで終わったインタビューを引き続き今回も掲載します。

それではどうぞ。

清水さん:あとは日本にはないんだけどこれはロシアだけに限らずアメリカとかどこでだってそうなんだけど海外はワークシェアリングがあって。そういう制度があるが故に、作業のはかどりが悪いよね。

松下:ワークシェアリングっていうのは一つの仕事を分担してみんなで分け合おうっていう...あれ、逆ですか?

清水さん:他人の仕事を取らない。一つの仕事をシェアする。まあ、そういう意味ではそうだけど。例えば、今回の据付の仕事も僕ら日本人だけでやっていいって言われていたら、もっと早く終わってたんだけど、クレーンを操作するやつはクレーンを操作するやつがいて、油を入れる職人は油を入れる職人がいて、で、細かく仕事が細分化されてて、その流れの中で他人の役割は取っちゃいけないんだよね。海外は。

山下さん:工場全体がそんな感じなので。この人がちょっとがんばれば、もっと少ない人数で仕事できるのになって思ってしまうんだよね。見てて。(笑)

清水さん:インドなんて特にそうだよね。

山下さん:機械なんてスイッチ押しとけば勝手に動くから押して他のところいけばいいのにずっとそこにいるんだよ。

松下:あぁー。形にこだわりすぎてるっていう感じですかね?決められたことを...

清水さん:決められた仕事をする。まあ、よくわからないんだ。がんばりたくないからそうしているのか、ワークシェアリングっていう考え方があるからそうなのか。僕は日本はすごい効率を考えると思っていて基本的に人をかけないようにしてる。日本の企業って特に。10ある仕事を、10全部やれって言うのが日本で、10ある仕事を2ずつ割れば5人できるっていうのが海外かな。(笑)

松下:そうなんですか!僕はてっきり逆だと思ってました...。

山下さん:思うよ、見てて。もうちょっとがんばれば効率上がるのになーって。(笑)

清水さん:他人の仕事を取っちゃいけないから...何につけてもそうなる。中々進まない。
僕らは日本から重いものもってこれない、、、結構工具重いんだよね。いろんな...ドリルとか必要だったりするんだけど。そういうのもお客さんから借りないといけない。でも、あれ持ってきてくれって言われても、ワークシェアリングで細分化されてる向こうのほうから持ってこないといけないってなると、中々こっちにこない。一日かかったりするから...。今ここに必要なのにって物が...なかなかこない。

松下:なるほど、じゃあ、作業は進まないんですね。

山下さん:だからもう...あきらめるしかない。(笑)

松下:その間どうするんですか...?

清水さん:もう他の仕事するしかないよね。

山下さん:じゃなきゃ開き直って...もういいや、って。(笑)

松下:それは・・・一緒なんですか?インドも・・・?

清水さん:アメリカとかインドとかは一緒。

山下さん:逆に日本が厳しすぎるのかもしれないけど。

清水さん:日本だけだと思いますよ。ワークシェアリングとかしないの。一人でみんなやっちゃうっていうのは...。

松下:いろんな仕事を一人で全部やるのは...ですか。

清水さん:やらないと終わらないっていうか...日本はとにかく工期に厳しいから。
結構どうも見てると...海外って言うのはいつまでにやりなさいっていっても、期限があってもわりと余裕見てるんだけど...日本はカツカツで...。だから日本でワークシェアリングって言ってあいつが来ないとかってなるともう、間に合わなくなるんだよね。

松下:ああー。

清水さん:っていうのもあるし、日本人ってさぁ、そう割と職人気質なところがあって、一人で全部やっちゃいたいっていうのがあるんだ。全部俺がやりたいっていう人もやっぱりいて...。

松下:完璧主義というかなんというか...。

清水さん:まあ、やっぱり職人気質なんだよね。
うん、環境は、うんまあ、クレーンとかも無いところもおおいんだよね。

松下:多いんですか。(笑)

清水さん:建物の大きさ的に入らないところって言うのも多いし...。
中々大きい機械を入れる国っていうのが少ないんだよね。アメリカとかロシア以外だったらどこにあるんだろ…?
あとは、衛生環境はどこも汚いよね

松下:それはまあ…(笑)

清水さん:アメリカもインドも汚いしね。日本がきれい過ぎるんですよ。

松下:すごいですよね。

清水さん:すごいよ。本当、日本は...。

松下:次はまあ、そうですね...。信頼関係はどうやって構築しましたか?同僚の人たちと。ロシア語がしゃべれない中でどういふうに・・・?

清水さん:言葉とかは...簡単なのは少しすつ覚えていくけど...。ニェット、ニェット*とか言って...。そんなのを交えながら、ボディランゲージ。でも、んー...。

山下さん:無いよね、あんまり。コミュニケーションとかは。

松下:ありませんか?

山下さん:ないですね。まあ、あって今日これ(人差し指で首をでこピンのように弾く**)なのか?って聞かれるぐらい。(笑)

清水さん:まあ、そりゃ今日はどうだった?なんてコミュニケーションはできないよね。(笑)

松下:まあ、そりゃそうですよね。(笑)

清水さん:昨日飲みに行ったか?酔ったか?ってぐらいで。(笑)

松下:あ、じゃあ、基本的に作業は日本人のかただけでやるんですか?

山下さん:うん。

清水さん:日本人だけで全部やっちゃう。

松下:それでできちゃうんですか?日本人だけで。

清水さん:だからまあ、2ヶ月もかかっちゃうんだけど。3人ぐらいで。

松下:ああ......それは...すごいですね......!!

清水さん:実際作業お客さんにやってもらうにしても説明できないからさ。ああしてこうしてっていうのは。

山下さん:ああ、でもそのときには通訳の人がいた。大きいものを運んでもらうときとか。初めの
ほうはね。

松下:工程が進むにつれて...日本人だけで仕事をするようになったんですか?

山下さん:うん。大きいやつを先に設置して、日本人だけで仕事できるようになると、通訳はいなくなるし。(笑)
欲しいものがあったらあれくれこれくれっつってボディーランゲージで。

松下:おお。(笑)

清水さん:まあでも、ちゃんとできましたよね。ニコライ***はちゃんと理解しようとしてくれてて、、、日本人との付き合いが結構長いから。

山下さん:そういうちゃんとした打ち合わせが必要なときは通訳の人呼んで。

松下:クナポ側の通訳の人ですか。

清水さん:そう、サーシャ君****が暴れまわって出禁(出勤禁止)なっちゃうからさ。(笑)

松下:ハハハ。(笑)

清水さん:笑ったもんなぁ。出禁ですって。(笑)出禁ってなんだよって思って。出禁って。(笑)
にしても……どうなんでしょう?結局信頼関係はきづけたんですかね?

山下さん:まあでも通訳いない分、仲良くはなったよね。(笑)

清水さん:一緒に酒飲んだりしてね。(笑)

松下:結構無茶苦茶ですね。通訳なしっていうのは。(笑)

山下さん:何かわからないことがあってもうんうん、うんうんって言って首縦に振ってね。(笑)

清水さん:あとはとにかくニポニュ、ニポニュ*****って言って……。

松下:そうですか・・・。
では、あとはそうですね。そのロシア人の同僚の方の技術力とかあとは職業にたいする態度、...勤務態度ですね。それはどうでしたか?

清水さん:人による!!(笑)まじめじゃない人もまじめな人もいる。
僕らの担当のニコライはまじめにやってくれてるっていうか、ちゃんとしてるよね。いつも酔っ払ってるけど。(笑)
あとは...まあ、仕事中に酒飲んでるやつが多いかな。(笑)

松下:仕事中に!?飲めるんですか!?

清水さん:喫煙室に隠したりしてこっそり飲んで。(笑)ちょこっと飲んで帰っていく。重量屋は特に酒癖が悪い。

松下:他の人の技術って言うのはどうなんですか?そもそも比べられるものなんですかね?

山下さん:比べられないですね。機械が違うからね。でもやっぱり、お客さんが何十台と持っている機械それぞれに対してはすごい技術をもっているとは思います。

清水さん:まあ、同じ機械を扱っているところなら比べられるけど...クレーン作業はへたくそだと思う。(笑)

山下さん:日本のほうがすごい慎重だし、そーっと置くもんね。(笑)

清水さん:まぁー、荒い。(笑)

山下さん:ちょっとくらい曲がっても良いやろうって感じで置くもんね。(笑)

清水さん:でも僕が最近思ったのは、日本が丁寧なだけなんですよね。日本人と比べたら、どこだって荒いですよ。アメリカも荒かったですよ。7mある機械ガッツーン、ガッツーンって置いちゃうんですもん。

山下さん:日本がきれい過ぎるんですよ。(笑)

清水さん:日本がきれい過ぎる。意外とちょっとくらい落としても大丈夫なんじゃないかとか。いやいや、駄目だろとか思って。(笑)

松下:それは危ないでしょうね。(笑)

清水さん:でも劣っているとは思わないよ。全然。感覚が違うだけで。
気にしないんだね。あんまり。

松下:細かいことは気にしないんですね。

山下さん:細かいことは気にしない!!日本人ならちょっと曲がったところは代えてよって言うところをロシアの人たちはいいよ、いいよ叩けばなおるからって言ってくれるからね。(笑)

清水さん:今回も輸送の振動でいくつか部品壊れてましたけど…よく直してくれましたよね...。

山下さん:取り替えてもらえることもできるんだよって言ったけど、これは直してもらうから別に良いんだって。(笑)距離あるのわかってたからね。

松下:ははぁ...。ああ、ここまでの輸送はトラックですか?

山下さん:船と、トラックですね。

松下:まあ、あの道路なら仕方が無いか。(笑)
では…最後に今回ロシア人と一緒に働いてどうでしたか?

山下さん:良い人たちでしたよ。一緒に酒飲んだりするの楽しかったし。

清水さん:工場の中ですれ違っても挨拶してくれたり、あとは薬もらったり。いや、ほんとに楽しかったです。
町の中ではええーって思うことはありますけどね。兄ちゃんにじーっと睨まれたり。(笑)
いやでも、ほんとにコムソはいいところですね。

山下さん:何言ってるかわからないけど、酒飲んでると酔っ払いが絡んできたりするけど。(笑)
じゃあ、そろそろ僕らも乾杯しますか!!(笑)

href="http://stat.ameba.jp/user_images/20130224/22/jrsc/b8/85/j/o0800060012433393008.jpg">日本ロシア学生会議のブログ-インタビュー。
インタビュー後に撮った写真、左から僕、清水さん、店にいた知らないロシア人の酔っ払い、山下さん

*ニェット「нет」英語でいう「no」。
**「飲みに行くか?」という意味のロシアのジェスチャー。
***クナポ側の日本人の担当の方。
****今回牧野の皆さんとともに行動していた日本語通訳のお方。毎朝酒を飲んでくるというので出勤停止処分に。その後、皆さんは代わりの通訳のかたを待つはめに。
*****「не понимаю」ロシア語で「わかりません」の意。

海外出張でのお仕事でお疲れの中、貴重な休日の時間をさいてインタビューをさせていただきました。
一般の大学生があまり聞くことができないであろう工作機械の話や、ロシアならではのお話など、たくさんお伺いすることができ、とても愉快で貴重な体験をすることができました。改めてこの場でお礼をさせていただきます。山下さん、清水さん本当にありがとうございました。