国道23号を南下し、松阪・伊勢方面へと進む。

 

 暫く走ると右側に、明日からの「全国大会」会場である「津グランドボウル(JBC公認:123-048)」が、更に南に進むと左側に「ラウンドワンスタジアム津・高茶屋店(店舗ID:92・JBC公認:123-060)」が見えてくる。

 この後、テーリングを打ち上げたら立ち寄るつもりではあるが、グランドボウルは「大会」の準備や本番の絡みがあり、どの程度「一般営業」できるのか不透明(出発前にチェックした限りではこれといった情報が載っていなかった)。ラウンドワンについても週末なので混んでいそうではあるが、レンタカーがあれば「深夜帯」でも行けなくはない。今日の「体力」次第だが、そこまでの体力が残っていなければ、ラウンドワンだけ翌日の「大会終了後」に回すことも考えてはいた。

 

 そう言えば、長男たちはどの辺りだろう。

 

 この時点では12時半を過ぎていたから、もう津駅に到着した頃だろうか。

 昼食後に「グランドボウル」に向かい、「練習」をする段取りになっているだろうとは思われる。

 こちらは、そんな各校の「練習」が終わった後に滑り込むことを目論んではいる(実際に昨年の関東大会の会場だった「パークレーン高崎」はこれに近い「大会1日目終了後の一般営業」で投げている)のだが、果たしてどうなることやら(結局、断念することになるのだが、それは別分野なので割愛)。

 

 松阪市域を走るうちに、松阪市では今回だけでなく、これまでも未訪で、このままでいいのか、という気がしてきた。

 駅に近い辺りは、いずれ機会があるかも知れないが、この国道23号はこの後明和町にかけて、JR紀勢本線や参宮線、近鉄山田線などからは離れた所を通る。

 そこで、明和町に入る手前で、どこか1局だけは寄っておこう、と考えた。

 

 金剛川を渡った所で左に分かれる県道705号に入り、所々妙に狭くなる道に「大丈夫かいな」と不安になりながら進むと、右手に22044:東黒部局が現れた。

 局前には2台分の駐車場と、それとは別に車椅子マークが描かれた枠が1つあるのだが、先客の「高齢者マーク」を付けた車が、2枠のど真ん中にドーンと駐めてあったため、已む無く障礙者用枠へ。

 通算7,232局目のテーリング処理自体は難なく進み、他の車が来る前に出ることができたが、よく見ると障礙者枠のほうが幅が狭かったような……まあいいか。

 

 その後も県道705号を進み、一度は国道23号に寄り添うものの合流や交差はせず(出間町交差点で出入りはできそうだったが)、明和町に入る。

 進行右側に見えた郵便局が、22240:下御絲郵便局だった。

 窓口にはちょうど処理を終えたらしき先客がいたが、同業者の模様。

 局名の読みが不詳だったので、処理依頼の際に訊くと「しもみいと」だそうで、局名ゴム印には「絣半纏」のようなイラストと「巻き糸」のようなイラストに挟まれた局名に「ルビ」も振られていた。

 どうやら「みいと織」とも呼ばれる「松阪もめん」に関連するようで、そう言えばこの辺りの「土産」の一つに「絲印煎餅」なるものがあるのも、何か関係があるのだろうか。

 

 なお「絲」は「糸」の旧字体で、本来はこちらが「正字」である(「糸」は元々「部首」の一つだった)。

 

 更に県道705号を進むと、22100:大淀郵便局に辿り着く。

 しかし、カーナビをセットしたら、途中からとんでもなく狭い道に「誘導」され、気が付くと「この先行き止まり」という看板まで立っていた。しかし、カーナビは「この道を行け」と指示するので、仕方なく突っ込んでみたのだが……結果として、何とかギリギリ通り抜けられた。

 パッソですら、もう両ミラーとも「ミリ単位」でしか余裕がないような道幅で、住宅からは生垣がはみ出していて、ある程度柔らかいものには「擦る前提」で行くしかなかった。これ、アルファードとかだったら、絶対に無理。そんな道を指示するカーナビって……。

 軽自動車ならもう少し楽だとは思うが、ある程度運転に慣れている筆者ですらかなり苦戦したので、たまにレンタカーを借りるくらいのドライバーだと、悲惨なことになりそうだ。

 

 大淀局で捺されたゴム印には、局名の前に松の木のようなイラストが入っており、もしかするとこの辺りは「宝」印が多いのだろうか。

 すぐ近くには、かの伊勢神宮もある伊勢市が隣接しており、そう言えば出雲大社の周辺も「宝」印の郵便局が多かったような。

 違った意味でも「パワースポット」なのかも。

 

 大淀局からは、一旦国道23号に入り、松阪・津方面に若干戻る。

 そこから少し南西方向に入り込んで、22832:上御糸簡易郵便局へ。

 先刻は「下御絲」郵便局だったが、こちらは「上御糸」簡易郵便局と、現在一般的に使用される「糸」の文字を使用している。

 地名的には下御絲局が「多気郡明和町濱田中島」、上御糸簡易局が「多気郡明和町佐田北出」と、「御絲」や「御糸」の文字は出て来ない。それぞれ近くにある小学校は明和町立の「上御糸小学校」と「下御糸小学校」で「絲」の文字は使われていない。

 なお、ゴム印については「マーク入りが2種類あるのですが……」と言われ、「(神社の)鳥居」と「ポスタルマーク(所謂『〠』=『顔郵便マーク』のことらしい)」を提示された。そのため、通算記録用(A口座)には「顔郵便」、それ以外に「鳥居」を捺してもらうことに。

 

 更に南下し、町役場近くにある22045:明和郵便局へ。

 少し小ぶりではあるが、集配も扱う郵便局らしい。

 局名のゴム印には、土器を模したと思しきイラストの間に「王朝ロマンのまち」というコピーを冠した形式になっている。やはり、著名かつ大規模な神社の近くには「宝」印の郵便局が多いような気がしてきた。

 

 斎宮駅近くの踏切で近鉄山田線の南側に回り込み、近くの22902:明和竹川簡易郵便局へ。

 ここでも、ゴム印に種類があって……と、通常の「ノーマル版」も含めた3種類を提示された。

 きちんと説明が付いた「紙片」を見せられたが、同じものが記載台にも置いてある。

 

 結局、上御糸簡易局と同じラインアップということらしい。

 今回も、A口座に「顔郵便」、他は「鳥居」を選択。

 それにしても、為替貯金取扱局番号(所謂局所コード)の百位が「9」に達しているので、長野県や鹿児島県のように簡易局が多いのかと思ったが、三重県の場合は簡易局に「22801」以降を附定しているので900番台に達しているらしい。長野や鹿児島は600番台からの附定で800番台もかなり進み、長野県では900番台に達しているし、鹿児島県には他に「奄美」所在の「79700」番台の局も多数ある。

 

 明和竹川簡易局の前を通る県道428号を更に東進すると、22226:明星郵便局に辿り着いた。

 近くには近鉄山田線の明星駅もあるのだが、「明星」というのは旧村名で、斎宮村と合併して「斎明村」となり、後に三和町と合併して、現在の「明和町」になっている。三和町は、先刻通ってきた地域の旧大淀町・上御糸村・下御糸村(この村名も「絲」は使わなかったようである)が合併してできたとのこと。

 つまり「明和町」の「明」は、「明星」の「明」らしい。

 

 ところで、この明和町誕生時に、ちょっと変わった経緯を辿っている。

 三和町と斎明村が合併して、即「明和町」になった訳ではなく、まずは新規合併によって「神郷町」として発足、即日「明和町」に改称した、とある。

 合併、あるいは町制・市制施行により、合併の場合は関係市町村のうちのいずれか、町制・市制の場合は当該旧町村の旧名をそのまま名乗った上で、即日改称する、という段取りを踏むことは往々にしてある(特に市名が既存の他市と被る場合など)。しかし、旧名でも何でもない市町村名を一旦名乗ってから即改称、というのはあまり聞いたことがない。

 「三重県多気郡神郷町」という「町」は、新設合併のその瞬間にのみ一時的に存在しただけなので、色々なデータとしては現れてこないのだ。

 

 そんな明星郵便局だが、ゴム印は局名の後に「☆彡」を配したもので紫色のインクを使用しており、一種独特。

 「☆彡明星」……何だか往年のブルートレインを彷彿とさせるな……。そう言えば、昔「鉄ヲタ」系の友人が、まさにこの辺り(最寄駅が「明星」だと言っていた)に住んでいたと思うのだが、今はどうしているだろうか。

 

 ナビを頼りに南西方向に向かうと、22880:明和有爾中簡易郵便局に出た。

 ここも「大丈夫かな……」と不安になるような狭い道に誘導されたものの、そもそも局前の道路がそのレベルなので致し方なし。となると、駐車スペースがなければ厳しい……と思ったのだが、局舎の裏手に受託者の住家と思しき建物があり、そこへの通路脇の倉庫前のような場所に1台分の駐車スペースらしき場所があった。よく見ると「お客様駐車場 簡易局」と書かれていたので、そこに駐車。

 

 ここでも「顔郵便」と「鳥居」を示されたので、今度は逆にA口座に「鳥居」、他を「顔郵便」とする。

 局名が難読そうなので確認すると「めいわ・うになか」簡易郵便局とのこと。

 

 これで明和町の全7局を「完訪」になるのだが、直営局は各々が独自に「宝」印を用意しているのに対し、簡易局は共通で2種類を用意していることになる。いずれにせよ、町内全ての郵便局が「宝」印を用意していることになるし、その前に寄った津市や松阪市の郵便局では全くそのようなことはなかったから、このエリアならではの「熱量」なのかも知れない。

 

 流石「伊勢神宮パワー」といったところか。

 

 (つづく)