集合と離散(さらば札幌駅バスターミナル) | キハのひまつぶし研究室

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札幌市中心部の再開発により、8月末にエスタが閉店。9月末には、その1階にある札幌駅バスターミナルが閉鎖されました。


名残りを惜しんで廃止前、用事もないのに仕事帰りに寄ってみました。

乗り場は北レーン、中レーン、南レーンに分かれています。北レーンは主にJR北海道バス(手稲、新札幌方面)と小樽行き都市間バスです。


中レーンは主にじょうてつバス(真駒内方面)。当初は札幌市営バス藻岩営業所の路線でしたが、確か20年ぐらい前だったでしょうか、じょうてつバスに移管されました。


南レーンは主に都市間バスの乗り場でした。


各レーンを横断するための横断歩道。昔は遮断器はありませんでした。はっきりとは覚えていないですが、設置されたのは多分21世紀になってからのことだったと思います。


歩行者用信号。今まであまり意識したことはありませんでしたが、普通は歩行者用信号に描かれている、立ち止まる人と歩く人の絵が描かれていません。


バス用信号。

最終日の9月30日バスターミナルに寄ってみたところ、鉄道のラストランほどではありませんがカメラやスマートフォンで撮影している人たちが集まっていました。

最終バスは22:45発、じょうてつバス南55系統、硬石山行きでした。バスの車体側面に、「さようなら札幌駅バスターミナル」と書かれています。見送ってから帰路につきました。


私はかつて白石区に住んでいたのでサツエキから帰宅する時はJRバスに乗っていました。しかし今思い返してみても、このバスターミナルからはJRバス以外に乗った記憶があまりありません。乗ったことのある路線といえば、小樽行き高速バス、苫小牧行き高速バス、浦河行きペガサス号、洞爺湖温泉行き(国道230号線経由)ぐらいでしょうか。それも各々1回ずつぐらい。他の都市間バス路線だと、札幌駅バスターミナルとは別のバス停から乗ることが多かったので、北レーン以外にあまり多くの思い出はありませんでした。

しかし、思い出の数は多くなくとも、旅の始まりの場所であり、あるいは帰ってくる場所であり、あるいは見送る場所であったわけです。鉄道ではあまり行けないような場所へ行くというワクワク感もありました。そういう思い出があるからこそ愛着のある場所なのです。

さて、札幌駅バスターミナルが閉鎖され、サツエキ周辺にバス乗り場が散らばりました。どこにどの乗り場があるのか、分かりにくくなっていますが、月日が経てば、やがて慣れるでしょう。JRからの乗り換えなら不便にはなりますが、逆に駅ではなく駅前に用事のある人なら逆に便利になるかもしれません。

これからエスタ・札幌駅バスターミナルは解体され、予定では、東京の新宿にあるようなバスタみたいなターミナルが、2028年にできるそうです。小綺麗になったバスターミナルで、果たしてどのぐらい思い出ができるでしょうか。