公式HPが掲載するフォーエバーヤングの血統「面白い事実」とは

 

ケンタッキーダービーに挑むフォーエバーヤング(写真はサウジダービーのレース後)
ケンタッキーダービーに挑むフォーエバーヤング(写真はサウジダービーのレース後)

 

 UAEダービーを制し、5戦無敗でケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、5月4日=チャーチルダウンズ)に挑む日本馬、フォーエバーヤング(牡3、矢作)の血統に関する記事「10の面白い事実」をケンタッキーダービーの公式ホームページが掲載している。

 

現地米国のジャーナリスト(ケリー・ライリー氏)が書いた恒例の血統分析記事で、非常にマニアックな内容になっている。
 

「日本の有名なノーザンファームで生産されたフォーエバーヤングの血統は米国の競馬史でよく知られている名前で満たされています。

 

89年のケンタッキーダービー馬で、日本の大種牡馬となったサンデーサイレンスだけでなく、フォーエバーヤングの祖先はアメリカの3冠競走に大きな影響を与えた馬たちです。

 

ストームキャット、エーピーインディ、ミスタープロスペクター、デピュティミニスターがすべて彼の遺伝に貢献していますし、彼はダービーでライバルになるシエラレオネと同じファミリーになります」という書き出しで始まり…。
 

「1、種牡馬リアルスティールは調教師にとって世界の舞台で最初の勝利をつかんだ馬」
「矢作芳人調教師はいくつかの国際的なフェスティバルで勝っているが、すべては2016年のドバイワールドカップデーにドバイターフを制したリアルスティールから始まった」と書かれている。
 

「2、リアルスティールはBCフィリー&メアターフを制したラヴズオンリーユーの全兄」
「ラヴズオンリーユーはブリーダーズカップにおける日本馬の歴史的なブレイクスルーを記録した馬」「(BCと香港を勝って)太平洋横断チャンピオンとなり、日本の最優秀古馬牝馬に選ばれ、エクリプス賞も獲得した」と紹介されている。
 

「3、リアルスティールは大西洋横断チャンピオンであるミエスクの子孫」
リアルスティールがディープインパクト産駒であり、母がストームキャット産駒のラヴズオンリーミーであること、ラヴズオンリーミーの母モネヴェッシアが父ミスタープロスペクター、母ミエスク(BCマイルを2勝した世界的名牝)という血統であることが紹介されている。
 

「4、父の父ディープインパクトは日本の3冠馬を生んだ唯一の日本の3冠馬」
ディープインパクトの戦績が紹介され、その産駒コントレイルを矢作師が管理して3冠を制したことで、ディープインパクトが「3冠馬の父となった唯一の3冠馬」であることが書かれている。

3冠牝馬となったジェンティルドンナや産駒の最終世代からオーギュストロダンが出たことも記されている。
 

「5、フォーエバーヤングの母は殿堂入りした名牝ソングバードと対戦している」
フォーエバーヤングの母フォーエバーダーリングは15年のG2サンタイネスSを勝った馬であり、14年のキーンランド・セプテンバーセールでわずか8000ドルだったのは落札価格が見合っていなかったこと、ソングバードが圧勝した15年のBCジュベナイルフィリーズに挑んだこと(8着)、サンタアニタオークスで4着に好走したことが紹介されている。
 

「6、母の父コングラッツはラヴァマンが勝った(05年の)ハリウッドゴールドカップで入着」
コングラッツの成績と血統、コングラッツの全兄フラッターも種牡馬としてトラヴァーズS覇者ウエストコーストを出して成功していることが紹介されている。
 

「7、コングラッツの孫娘がケンタッキーオークスを勝っている」
コングラッツは初年度産駒からタービュレントディセント、ウィキッドリーパーフェクトというG1馬を出しており、17年のケンタッキーオークスを制したシーデアズザデビルの母の父にもなっていること、コングラッツ産駒のバンゴという馬が昨秋にチャーチルダウンズ競馬場の最多勝記録(11勝)を挙げたことが書かれている。
 

「8、シエラレオネはフォーエバーヤングのいとこ」
フォーエバーヤングの母はシエラレオネの母の半姉で「人間でいえばいとこの関係」であること、シエラレオネの母ヘヴンリーラブはマリブムーン産駒であり、どちらもエーピーインディ系種牡馬を父に持っていること、フォーエバーヤングとシエラレオネの祖母ダーリンマイダーリンの半弟が日本の年度代表馬ゼンノロブロイであり、フォーエバーヤングがローミンレイチェル(94年のG1バレリーナH覇者)のひ孫であることが紹介されている。
 

「9、ミスタープロスペクター、ノーザンダンサー、セクレタリアトが何度も出てくる」
フォーエバーヤングの5代血統表にはミスタープロスペクターの名前が3度出てくること、1964年のケンタッキーダービーを制したノーザンダンサーの血もリファール、ストームバード、ヌレイエフなどを経由し、何度もクロスしていること、「3冠馬セクレタリアトが母の父」であるストームキャットとエーピーインディの血を持っていることが書かれている。
 

「10、ローミンレイチェルの母父クレバートリックの父アイスカペイドの半妹がラフィアン」
アイスカペイドと不運の名牝ラフィアンがきょうだいであること、クレバートリック産駒のトリッキークリークが現在の米国リーディングサイアーであるイントゥミスチーフの母の父であること、クレバートリックの血をテーオーパスワードも持っていることが紹介され、記事は締めくくられている。
今年のケンタッキーダービーは第150回の歴史的な開催。

フォーエバーヤングの名前が競馬史に輝くような結果を期待したい。

 

2024年4月17日17時31分
(日刊スポーツ)

 

 

 グラサン

 ケンタッキーダービーを勝った日本人オーナーは数いるが、日本生産馬が勝った事は一度もしてない訳で、それがサウジダービー・UAEダービーを制し、そしてケンタッキーダービーに挑戦すること自体が奇跡に近い。

 

それもメークデビュー戦から全日本2歳優駿(GⅠ)を含めての5連勝で、矢作調教師&藤田晋オーナーの運の強さは宇宙規模の良さを持っていると言えるだろう。

 

共に麻雀大好きで、その強さ・引きの強さも有名で、矢作調教師は学生時代に父の厩舎に出入りしていた馬主を相手でも勝ちまくっていたほどで、頭の良さと読みの鋭さは端から観戦していても「勝負師叫びと解るモノが有った。

 

「坊主、お前が調教師に成った際はお前に馬を預けるからなウインクと口にした大馬主も居たが、二代目を継ぐ前に他界してしまいその事は実現しなかったが、途中から大井競馬場から中央へ目標を替えたのも父の意志が伝わったからだろう。

 

父と葬儀の席での言葉に「私の父であり、私の師匠でもある…」と述べていたが、人の親に成り、他人の親にも成った矢作調教師は間違いなく親を超えたと言えるだろう。

 

これからは「矢作調教師の親・調教師矢作和人のとして…」名を残せる訳で最大の親孝行はこれからも続くだろう。