「順調に行ってほしい」2冠に期待

 

皐月賞を制したジャスティンミラノの口取りをする友道師(左から2人目)と戸崎騎手(右から2人目)ら
皐月賞を制したジャスティンミラノの口取りをする友道師(左から2人目)と戸崎騎手(右から2人目)ら

皐月賞>◇14日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳牡牝◇出走17頭
 

 2番人気ジャスティンミラノ(牡、友道)がレコード勝ちで1冠目を制した。

 

勝ち時計は1分57秒1。3戦3勝、昨年に続く無敗の皐月賞馬が誕生した。
    ◇    ◇    ◇  
三木正浩オーナーは、昨年の天皇賞・春(ジャスティンパレス)以来のJRA・G1・2勝目を挙げた。

 

「一瞬届かないかなと思ったけど、最後は少し声が出たかもしれませんね。

(ダービーまで)順調に行ってほしいです」と2冠に期待を込めた。

 

また落馬事故で亡くなった藤岡康騎手が同馬の追い切りを担当したことに「本当にありがたいなと思いました。

栗東でも非常にいい方だと聞いていたので、すごく残念です」としのんだ。

 

皐月賞制覇ジャスティンミラノ一夜明け 山田助手「康太のこともあったし勝ちたいと思っていた」

 

皐月賞制覇後、栗東トレセンで変わりない様子を見せるジャスティンミラノと担当の山田助手
皐月賞制覇後、栗東トレセンで変わりない様子を見せるジャスティンミラノと担当の山田助手

 

 無傷の3戦3勝で皐月賞を制したジャスティンミラノ(牡3、友道)は激戦から一夜明けた15日、栗東の馬房で元気な姿を見せた。
 

同日の午前1時半頃、栗東トレセンに到着した。

 

担当の山田助手は「あれだけの時計(1分57秒1)で走っているし、(競馬当日は)暑かったこともあり、少し疲れていたけど、カイバも食べている。

許容範囲ですよ。

いつも通りの感じです」と無事を伝えた。
 

衝撃のパフォーマンスだった。

 

スローペースだった新馬戦、共同通信杯と異なり、今回はハイペース。初の右回り、トリッキーな中山と過酷な条件だったが、見事に乗り越え、レースレコードでG1初制覇を決めた。
 

「前は速かったけど、無理について行っているわけではなさそうだったし、いい位置にいると思った。

 

3、4コーナーで手応えが悪くなり、4コーナーではジャンタルマンタルに離されたように見えたので『厳しいかな』と思ったけど、残り100メートルを切ったあたりで声が出たね。

良かったです」と同助手は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 

落馬事故で10日に死去した藤岡康太騎手(享年35)への強い思いもあった。

 

同馬の1、2週前追い切りを担当したのが、藤岡康騎手だった。
 

「康太のこともあったし、なんとか勝ちたいと思っていた。

馬がそれに応えてくれた。

康太はうちのスタッフ同然で、調教を手伝ってくれていた。

レースで乗れない馬でも嫌な顔ひとつせずに乗ってくれていた。

競馬を見ても、戸崎騎手が言う『康太が背中を押してくれた』というのが分かる」。

 

“チーム・ジャスティンミラノ”の思いが、最後のひと伸びを後押しした。
 

目指すは牡馬クラシック2冠目だ。

 

今後はダービー(G1、芝2400メートル、5月26日=東京)を目指して調整される予定となる。

 

山田助手は「次に向けて、しっかりとケアしていきたい」と力強く話していた。

 

2024年4月15日10時9分
(日刊スポーツ)

 

 

 グラサン

 日本のホースマンなら誰でも思う事だが、この時期の3歳馬に1000mの通過ラップを57秒5で走り、中山芝2000mを1分57秒1のコースレコードで走ればどんなに丈夫な馬でも反動が出るし、500kを超えるジャスティンミラノだけに、足元が不安に成るのも当然である。

 

山田助手の「次に向けて、しっかりとケアしていきたい」の言葉は当然の事だが、リベンジを期する陣営とて同じ立場で、皐月賞上位入選馬は揃って順調に日本ダービーに向けて来て欲しいと願っている。