シンエンペラー、子供っぽさ卒業シン成人 初コンビ川田騎手と進化した走り見せる
21日、角馬場で調整するシンエンペラー |
牡馬クラシック主役候補の1頭、シンエンペラー(矢作)が、日曜中山の弥生賞ディープインパクト記念(G2、芝2000メートル、3月3日、3着まで皐月賞優先出走権)で始動する。
2着に敗れたホープフルSから約2カ月。
兄に凱旋門賞馬を持つエリートホースは、リフレッシュ放牧での充電を経て着実な進化を遂げている。
◇ ◇ ◇
新馬戦、京都2歳S1着。
ホープフルS2着。
シンエンペラーはクラシック候補にふさわしい蹄跡を残している。
ただ、3戦とも騎乗した騎手はレース後に「子供っぽさ」を口にしていた。
特に前走のホープフルSは4コーナーで少し外にふくれ、直線も早く抜け出す形になったことで大きく外によれてしまった。
「まっすぐ走っていればね。
直線はよろけて真横に走っていた。それも能力」と話すのは担当の吉田助手。
最後の最後で幼さ全開の走りとなってしまい、G1のタイトルを取り損ねてしまった。
あれから2カ月。
リフレッシュ放牧で充電したシンエンペラーは今月上旬に帰厩。
「気持ちの面で少し大人になりましたね。
余計な動きが減りました。
それはいい傾向です。
いちばん成長してほしいところですから」と同助手。
最大の課題である気性面は着実に成長してきた。
もともと、クラシック戦線で多くの馬が直面する折り合いに問題がない。
今回、子供っぽさが少し抜けたことで間違いなくレースを優位に運べる。
肉体面の方も順調だ。
同助手は「体重はたいした上下はないけど、ソエも上の筋肉も大丈夫です」と体調に関しては何の心配もないと言う。
24日の1週前追い切りでも余力を残してCウッド6ハロン80秒8-11秒6。
搭載エンジンの機能の高さをうかがわせている。
今回は川田騎手と初コンビを結成。
新たな鞍上とともに、2歳時から進化した走りを見せて結果を出す。
【明神理浩】
2024年2月27日8時48分
(日刊スポーツ)
人間の欲は何処まで行っても尽きる事が無いが、既に皐月賞(GⅠ)への出走権は勿論、日本ダービー(GⅠ)への出走権を確保しているシンエンペラーに矢作調教師はその上を望んでいる。
先週、藤田晋氏にの愛馬フォーエバーヤングでサウジダービーを制し、その興奮冷めやらぬ今週末は真・エンペラーでクラシックの登竜門・弥生賞(GⅡ)挑む訳だが、もうこの勢いは欲と言うより、男・矢作芳人の執念を感じさせられる。
「我々のために高馬を購入してくれている訳で、少しでも早くお返しするためにスタッフ一同が頑張っている。最善にこれが最高は無いし、あらゆる手段・覚悟で挑むのが私の仕事で、結果は後からついて来るものと思っている」が矢作イズムである。
出る釘は撃たれるはいつもの世も同じで、当然味方よりも多い敵がいてこそ一流の証で、日本以上に海外での矢作イズムが浸透しているし、どこの競馬場に行っても矢作芳人の周りからホースマンの姿が絶える事は無い。
正に故・中村和夫がセリ場に登場すると、会場の空気が一変したし、進行司会者も一気に声が上ずるのが恒例だったが、今では矢作芳人には金魚の糞の様に並んで歩くホースマンが実に多い。
昨年は何かと内輪の問題が多かったが、まだまだゴタゴタが続きそうだが、こんなことでぐら付く矢作芳人では無い
決して日本の競馬をおろそかにしている訳では無く、たまたま世界の重賞を狙える馬が居ただけで、この3月からは新人ジョッキーも手配して下級条件にも駒を揃える筈で、楽しみな週末に成りそうだ。