杉山晴師は7例目…過去10年のJRA重賞1日2勝 安田隆師は20、22年と2度達成

 

根岸Sを制したエンペラーワケアの口取りをする杉山晴師と川田騎手(撮影・丹羽敏通)
根岸Sを制したエンペラーワケアの口取りをする杉山晴師と川田騎手(撮影・丹羽敏通)

<根岸S>◇28日=東京◇G3◇ダート1400メートル◇4歳上◇出走16頭◇1着馬にフェブラリーS優先出走権
 

 1番人気エンペラーワケア(牡4、杉山晴)が重賞初挑戦でタイトルをつかんだ。

 

2勝クラスからの3連勝。杉山晴紀調教師は先に発走した京都のシルクロードSをルガルで勝ち、東西の重賞を同日にダブル制覇した。

 

JRA重賞を1日2勝した調教師は過去10年で7例目。
 

【JRA重賞を1日2勝した調教師】※過去10年
◆尾関知人師 15年3月7日 中山・オーシャンS(サクラゴスペル)&阪神・チューリップ賞(ココロノアイ)
◆堀宣行師 16年8月21日 札幌記念(ネオリアリズム)&小倉・北九州記念(バクシンテイオー)
◆音無秀孝師 17年2月5日 東京新聞杯(ブラックスピネル)&京都・きさらぎ賞(アメリカズカップ)
◆安田隆行師 20年9月3日 中山・京成杯AH(トロワゼトワル)&中京・セントウルS(ダノンスマッシュ)
◆安田隆行師 22年5月8日 新潟大賞典(レッドガラン)&東京・NHKマイルC(ダノンスコーピオン)
◆上村洋行師 23年12月2日 阪神・チャレンジC(ベラジオオペラ)&中山・ステイヤーズS(アイアンバローズ)
◆杉山晴紀師 24年1月28日 京都・シルクロードS(ルガル)&東京・根岸S(エンペラーワケア)

 

2024年1月28日18時52分
(日刊スポーツ)

 

 

 グラサン

 新旧交代が囁かれている調教師界に置いて、杉山晴紀調教師が昨年のリーディングトレーナーを奪取した勢いは止まらない。

 

調教師として42歳と言う年齢はひょっこの様なもので、今年で9年目を迎える師だが今回のW重賞勝ちで21勝目の制覇と成る。

 

引退まじかの調教師でも重賞未勝利は星の数ほどいる中で、実質8年間で21勝は立派だし、GⅠ勝ちが5勝と言うのも中身が有る。

 

決して馬に恵まれての実績では無いし、多種多様な生産馬で築き上げた実績で、棚ボタ調教師では無く調教師試験を5回目でパスした苦労人でもある。

 

騎手採用もトップジョッキーでの勝利数より、若手ジョッキーでの勝利が目立つのも特徴で、兎も角、馬の個性・特徴を見抜く眼力には感心させられるし、馬券を張る側に取っては最も信頼出来る厩舎とも言えるだろう。

 

この3月から厩舎を開業する福永祐一も実質自ら手掛ける馬は2歳馬世代で、そのメンバーが頭角を現すのは1年後・2年後と成る訳で8年後にGⅠ・5勝と成れる可能性、重賞勝ち21勝に成る可能性は保証はどこにもない訳で、如何に杉山晴紀調教師が優れているかが解るだろう。

 

成せばなる、成さねばならぬ何事も、成らぬは己のなさぬもの成りを是非肝に銘じて欲しいと願っている。