八重洲製無線機のPRESETを使ってFT8を運用されいる方場合によっては、その設定を見直した方が良いかも知れません。
八重洲製無線機のPRESET
最近の八重洲製無線機は、FT8の設定が簡単にできるようにPRESET機能がついている。
これをSETしておくと、送信帯域やら受信帯域の調整、USB AUDIOの信号レベル調整などを全部やってくれる便利機能である。
特に八重洲機は、フィルター関連設定が厄介な設定なので、FTDX101 以降の機種はPRESETで楽になったと言えます。
なぜ見直すのか?
当然のことながら、無線機メーカーは使用条件を想定してパラメータを決めているので、それと外れた使い方になると、設定が合わないことは容易に考えられます。それで八重洲無線のFTX-1で検証してみました。
FTX-1の想定する使用条件
八重洲のリグを購入した方は、FT8設定の小冊子が付属しているのをご存知でしょう。その設定を見れば八重洲無線は何を想定しているか直ぐにわかります。
それは、fake it ( Split) は使わないと言う想定です。
つまり、3KHzまでの範囲で、キャリアを出すという想定になっているわけです。
fake it (Split)は何のため?
fake it (Split)は、高調波を出さず、また、キャリアの出力をFT8の帯域全体で一定にさせるという目的で使用します。
高調波をTX BPFで除去する前提で、1500-2000 の範囲で出力するように送信周波数を調整しています。こうすることで、2倍以上の高調波つまり3000Hz以上は、TX BPF でカットされるという考え方です。なぜなら、通常のSSBの帯域は3KHz以下だからです。
例えば、21.074MHzのFT8で、キャリア(DF) 2600Hzで送信すると、周波数が21.075MHzにシフトするので、キャリア(DF)は1600Hzで送信すれば良いことになります。
また、キャリアの周波数が3KHzに近づくにつれて、出力が低減されていく傾向がありました(かつてのアナログSSB回路はその典型)。しかし、1500-2000Hzならどの無線機も比較的安定していたという事情があるようです。
問題点は?
ところが、FTX-1のPRESETの送信時のDFフィルターのデフォルト設定を見てみると、TX BPF SEL 50-3050となっている。
上限が3000Hzを50Hzほど超えているので、1500近辺の2倍高調波がすっぽ抜けることになります。
解決策
TX BPF を 上限を3000Hz未満に設定し直す。
ちなみに、自分は 400-2600に設定した。
fake it は本当に必要か?
結論から言うと、JR 2ANCは必要と考えております。
確かに今の無線機は送信時のフィルターも3KHzよりやや上までの設定は可能で、この間、送信時のキャリア出力は一定にできています。この点でキャリア周波数による出力変動はありませんので、「キャリア出力一定にする」と言う意味では、fake itは必要ありません。
また、キャリア信号の歪みも極めて少なくなっているので、多くの場合は、fake itは必要ないかもしれません。
と、言いたいところですが、JR2ANCは、かつてI C-7300などでキャリアが歪んで高調波を出す経験をしました。RFの回り込みが原因でした。つまり、特殊なケースとはいえ歪みは皆無とは言えないのです。(この時は、高調波以外に近傍に小鬼がいっぱい出てきて悲惨な状況でした・・・ああ、思い出したくもありません)
また、WSJT-XでSuper FOXモードでDX Pedition局を呼ぶ際、3KHzから6KHzで呼ぶことで、パイルアップを抜けることができるかもしれません。その場合は、Fake itに頼らざるを得ないです。(多くの無線機は、送信上限はせいぜい4KHzまでです)。
補足
ICOMの I C-705を確認したところ、送信周波数帯域(八重洲でいうTX BPF SEL)は、上限が2900Hzまでとなっているので、見直す必要はありません。I C-7300などでも同等と思います。
以上


