北海道新聞に乗っている記事ですが

 

貨物列車、音だけのドラマ 説明控えめ、異色の5分番組

2022.11.26 12:56 北海道新聞

 

「貨物列車から生まれる音のドラマ。今夜もあなたのまちで走り続けています」。

日付が変わる少し前、しっとりしたナレーションに迫力ある走行音が続く。

AIR―G'(エアジー FM北海道)が

月曜から金曜まで午後11時55分に放送する

「Sound(サウンド) of(オブ) Train(トレイン)」。

人が行き交うことのない、貨物列車の音で1回5分の番組を3カ月間、作

り続ける意欲作だ。舞台裏をのぞいた。

小型録音機で運転席の音を捉える高山秀毅さん。

運転士にピンマイクを付けてもらうことも考えたが、

普段と異なる負担を考慮、安全面から取りやめた

 

 

 

 11月中旬、JR貨物の東室蘭駅にディーゼル機関車

DF200(愛称レッドベア)が1両約20mの貨車20両を引いてゆっくり入ってきた。

番組プロデューサーでナレーションも担当する高山秀毅さんが、

ステップを腕でつかんで2mほどの高さの運転台に上った。

 

 録音機3台を用意。

2台を運転席右のスペースに設置して走行音を採り、

1台は高山さんが運転席に向け、運転士が確認をする声や操縦音を狙う。

五稜郭駅までの約4時間、立ちっ放しで、カーブや坂など

列車の音が変わる時間と場所、周囲の情景をメモした。

渡島管内森町を疾走する「レッドベア」。

走行中、高山さんはどの程度のレベルで録音されているかに注意を払う

 

 番組づくりは、JR貨物が音から貨物列車に興味をもってほしいと提案。

音に絞ったのは鉄道に詳しい人も、知らない人も想像してもらえると考えたから。

 

 どれだけ説明するか―。AIR―G'の課題となった。

走行状況を分かりやすく伝えようとすると、CMを除き3分半の番組のうち1分は必要に。

毎日、初めて聞く人がいるので連日その程度の説明を入れるのか。

 

 一方で貨物列車は「音の表情が豊か」(高山さん)。

エンジン、連結部、車輪、警告音…。

それぞれが山間、平野、カーブなど走る場所で変化し続ける。

 

 そこで「しゃべりは最小限にし、心地よい音を届ける」ことに。

多くをリスナーの想像に委ねた。

 

 10月は夜に北見駅を出発、

北旭川駅を経て札幌貨物ターミナル駅に向かう通称タマネギ列車を紹介。

5t収容のコンテナ55個を載せ、DF200が1台ずつ前から引き、

後ろから押す「プッシュプル方式」で難所の急勾配の峠を越える。

 

 そこで聞こえるのは力強いエンジン音と、

「はい、どうもありがとうございました」「はい、あとよろしくお願いします」と

運転士の無線の声。うなりを上げ夜通し荷物を運ぶ姿が、番組を通じて浮かんでくる。

 

 現在は鉄道について著書があるモデルの市川紗椰さんがナレーションに加わり、

昼間の帯広貨物駅から札幌貨物ターミナル駅まで。

軽やかな走行音からは、青空の十勝平野を駆ける様子が見えるようだ。

 

 

 「車輪の音を聞くと、よく整備されているよう」

「走り去る列車の後に残る虫の声が良かった」など、

反響はJR貨物が予想した以上。鉄道に詳しくない人にも聞かれているという。

 

 同乗した高山さんは

「私たちが必要とするものを、寝静まっている間に淡々と運んでいる。

いとおしくなる」と話す。12月は東室蘭~青函トンネル間を放送予定。

駒ケ岳の周りは速度を抑えて走り、ゆっくり旅をするような味わいという。

 

 

 

■年間185万トン 道外に輸送

 

 JR貨物は農産品、紙製品など年間185万tを道外に輸送する。

これを上回る年間200万tの加工食品、

書籍など生活必需品を道内に運び入れている。

 

 農産品の北海道からの輸送はJR貨物が40%を担う。

タマネギは64%に上る。

 

 北海道新幹線の札幌延伸後、JR北海道から経営分離される

並行在来線の函館~長万部間の存廃は、道内の物流に大きな影響を与える。

このため国が道、JR貨物、JR北海道との間で調整に乗り出している。

(文・嘉指博行、写真・伊丹恒)

 

 

という事で、前も書きましたが

鉄道貨物は、北海道からは、

北見のたまねぎ、富良野、帯広のじゃがいもなどの農産物

 

本州からは、本屋さんに並ぶ本類、CD、DVDや

ネットショッピングで買ったもの(一部の会社のもの)

その他生活必需品が来ます

 

北海道では、鉄道貨物が十分必要ですので

北海道新幹線の並行在来線の函館~長万部間は存続が必要ですね

 

過去の放送は番組ホームページからポッドキャストで聞くことができます。

 

 


Sound(サウンド) of(オブ) Train(トレイン) ポッドキャスト リンク

ポットキャストでは 10月分が最新となっています