北海道新聞に乗っている記事ですが

 

 

「北斗星」ゲストハウス、来春開業 北斗・茂辺地の2両に8室

2021.11.20 14:24

元・北斗星車車両

 

 【北斗】思い出の車両に再び泊まって―。

市内茂辺地地区の北斗星広場で保存しているJR寝台特急「北斗星」の

車両をゲストハウスとして活用する市民有志の動きが本格化している。

当初は今夏の開業を目指していたが、新型コロナウイルス下で作業が中断。

感染対策を踏まえて計画を練り直し、

来年4月末の営業開始に向けて改修工事などが進んでいる。

 

 

 北斗星は、上野~札幌駅間を結ぶ寝台列車として1988年に運行を始め、

北海道新幹線開業を前に2015年で運行を終了。

地元の若手商工業者らでつくる「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」が

16年、クラウドファンディングで資金を募るなどして

JR北海道から2両を有償で譲り受け、保存してきた。

現在は合同会社「靑(あお)」に法人化し、事業を進めている。

 

 車両は塗装剥離や変色が目立ち、

10月下旬から全面塗装に向けたさび落としや雨漏り補修を行っている。

年内に完成予定で、改修費などの事業費は3千万円。

 

 同社によると、ゲストハウスとして使うのは2両のうち8室。

車内のシャワーやベッドは、当時のまま利用できるように整備中だ。

公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」環境や監視カメラも既に備えた。

 

 同社はコロナ下で、感染対策を考慮した設計の変更に着手した。

最大宿泊人数を当初の30人から10人程度に減らして密を避けるほか、

特急車両は窓が開かないため、換気システムを更新。

また、浴室やテラスなどを備えたトレーラーハウス2棟

(1棟最大3人まで宿泊可能)を車両近くに新たに設置し、

北斗星を眺めながら泊まれるようにした。

 

 

 

 宿泊費は車両が1人5,000円、トレーラーハウスが1棟15,000円の想定で、

収益は車両の維持管理費に充てる。

インターネットの仲介サイトを通じて予約を受け付ける。

宿泊の受け付けや物販には、コロナで休業中の広場内

のカフェを活用することを検討。スタッフは地元の人を募集する。

 

 

 北斗星は、コロナ禍前は5~11月に車内を一般公開し、

1日100人以上が訪れたことも。

車内に置かれたノートには

「北海道の祖母に会いに行くときに乗った」

「もう一度泊まりたい」など、かつての利用者らの言葉がつづられている。

 

 感染収束後には、各地の鉄道愛好家や外国人観光客らの宿泊を見込む。

同社代表社員の沢田導俊さん(41)は「市内を走ったゆかりの寝台特急。

利用者の思い出をよみがえらせる観光資源にしたい」と話す。(加藤遥花)

 

 

合同会社「靑(あお)」HP