朝日新聞 デジタルに乗っている記事ですが

 

「なにもない」踏切、全国区の名所に 千葉・いすみ鉄道

2021.05.17 11:00 朝日新聞 デジタル

第二五之町踏切と、いすみ鉄道の列車=いすみ市の古谷彰浩さん撮影

 

田んぼの真ん中にある遮断機も警報機もない小さな踏切が、地域の観光名所になった。

千葉県いすみ市のいすみ鉄道第二五之町(だいにごのまち)踏切。

 

鉄道写真家の中井精也さん(53)の写真展をきっかけに

全国的に知られるようになったといい、いすみ市観光協会がつくった

「いすみ鉄道・国吉エリア沿線ガイドマップ」に取りあげられた。

 

 中井さんがこの踏切を大きく紹介したのは、2009年の写真展から。

中学生のころから通った場所で、現在も題材として取りあげたり、写真の勉強会を開いたりしている。

いすみ鉄道も、この踏切を題材に

「ここには、『なにもない』があります。」と記したポスターを作製した。

 

 国吉駅から歩いて20分ほどの場所で、星空の撮影ポイントとしても人気が高いという。

いすみ市の古谷彰浩さんは「田舎ならではの遮断機のない踏切。

ローアングルから撮影すると、背景に何も人工物がない空と列車を撮ることができる」と

人気の理由を説明してくれた。

 

 マップには釈迦涅槃(ねはん)像がある海雄寺や、出雲大社上総教会、

江戸時代の彫刻師・波の伊八の作品がある光福寺や行元寺なども紹介されている。

国吉駅観光案内所などで無料で配っている。(稲田博一)