北海道新聞 名寄版に乗っている記事ですが

 

全国のファン、音威子府駅そば忘れぬ 閉店の「常盤軒」 

店主故西野さんの遺影に悼む声次々

2021.02.23 05:00 北海道新聞 名寄版

閉店した駅舎内の常盤軒。お悔やみの花が供えられ、

生前の西野さんの写真が飾られている

 

 【音威子府】

8日に閉店したJR音威子府駅構内の名物そば店「常盤軒」を惜しみ、

全国からファンが駅を訪れている。

店のカウンターに設置されたノートには多くのメッセージが書き込まれ、

病気で亡くなった店主の西野守さん=享年84歳=をしのぶ声がつづられている。

 

 常盤軒は、西野さんの祖父が1933年(昭和8年)に創業。

昆布と煮干しをだしに使った濃いつゆを使い、

村特産で黒い麺と強い風味が特徴の「音威子府そば」を客に提供してきた。

西野さんは75年ごろ、父の跡を継いで3代目店主となり、

妻の寿美子さんと二人三脚で自慢のそばを客に提供してきた。

 

 駅を訪れる旅人が黒いそばを味わった店先のテーブルには、

追悼の花がたむけられ、壁には名物のそばを客に出す

西野さんの写真などが飾られている。

 

 カウンターに置かれた「#ありがとう常盤軒」と書かれたノートには

「おいしいおそばごちそう様でした。安らかにお休み下さい」、

「もう二度と西野さんのおそばが食べられないと思うと悲しくてたまりません」

などの言葉が並ぶ。

愛知や兵庫など道外からの訪問者による書き込みもあり、

22日時点で約60件のメッセージが寄せられている。

 

 同日に東京から訪れた鉄道ファンの50代男性は

「20回以上は来ていた。ここで食べたくなる不思議な魅力があった」と振り返る。

埼玉から家族で来た50代女性は「ここに寄ってそばを食べるのが楽しみだった。

前に来たときも混んでいて忙しそうだったけど、

(西野さんは)すごく楽しそうだった」と語った。