読売新聞 滋賀県版に乗っている記事ですが

 

<市と京阪バス>自動運転バス実験 発車

2020.07.14 05:00

大津中心部・湖岸エリア

 自動運転の路線バス実現を目指し、大津市と京阪バスは12日から

、一般客を有料で乗せる実証実験を、市中心部の湖岸エリアで始めた。

踏切や信号と連携した安全システム、キャッシュレス決済などの新技術を導入。

9月27日まで運行を続けて効果や採算性を確かめ、

今年度中の本格運行につなげたい考えだ。(谷口学)

 

安全・決済 新技術乗せ

 市は将来のバス路線維持や観光振興を目的に2018年度から実験を開始。

3回目の今回は、国の実用化プロジェクトの一環で、新開発の中型バス(28席)を使って有料で運行する。

 

 ルートはJR大津駅からびわ湖ホールなどを経て、

びわ湖大津プリンスホテルへ至る3・7㎞で、1日10往復運行。

8か所に停留所を設け、片道大人210円、子ども110円で誰でも乗車でき、

スマートフォンを使ったキャッシュレス決済もテスト導入した。

 

 過去の実験では、一部区間で街路樹が障害になり、

全地球測位システム(GPS)情報が受信しにくいといった課題が判明。

今回はこの区間に誘導用の磁気マーカー1353個を埋設し、

さらに京阪バスなどが電車接近や信号の変わり目を知らせる

国内初のシステムを開発した最終的な安全確認や回避操作は運転手が行うが、

自動運転の幅が広がったという。

 

 12日朝にプリンスホテルを発車した第1便には、市民ら一般乗客5人が乗車。

右左折やUターン、停留所の発着を自動でこなす様子に見入った。

今春、大津市へ越してきたという会社員戸谷昇さん(56)は「とてもスムーズ。

運転手が安全確認している様子もわかって安心感があった。

湖岸から大津駅までのバス路線がなく不便を感じていたが、

実現すれば市民にも観光客にも便利だと思う」と話した。

 

 路線バスは、運転手不足や採算悪化による路線縮小が全国的な課題となっている。

京阪バスは「自動運転の導入を高齢者や女性運転手の活用などにつなげたい」とし、

市の担当者も「過疎地を含めた公共交通網の維持に向け、

実用化を後押ししていく」と話している。