北海道新聞に載っている記事ですが

 

「非自動閉塞」道内で姿消す 列車の「信号」手渡しで制御 進む電子化、全国でも減少

2020.05.08 06:34 北海道新聞

 

 

札沼線の石狩月形駅で、スタフを手に列車に乗り込むJR職員。

金属製の輪に取り付けられたカバーの中にスタフが入っていた=1月4日

 【月形】

JR札沼線の北海道医療大学~新十津川間が7日に廃止となり、列車が区間内を走る際、

人の手を介して誤進入などを防ぐ「非自動閉塞(へいそく)」の路線が、道内からすべて姿を消した。

札沼線の非自動閉塞は、スタフ(通票)と呼ばれる「通行証」を運転士に

手渡しする昔ながらの方式で、地方路線の廃止や電子化により全国でも残りわずかになっている。

 列車の往来を管理する方法は、機械制御による「自動閉塞」と、

人の手と機械を併用する「非自動閉塞」に大別される。

札沼線の「スタフ閉塞」は、通行証を介した「指さし確認」の目的で使われた。

運転士は石狩月形駅(空知管内月形町)でスタフを受け取らないと、

その先の新十津川駅(同管内新十津川町)方面に進めない決まりになっていた。

 札沼線のスタフは、長さ40㎝、幅35㎝の金属製の楕円(だえん)形の輪に

取り付けたカバーの中に入っていた。

区間内に一つしかなく、運行トラブルの防止につながった一方、管理する駅員が必要となり、

人件費がかさむなどしていた。

 鉄道に詳しい釧路市立博物館の石川孝織学芸員によると、

JRでは非自動閉塞が減少し、道外のJRで運用されているのは、

貨物列車を除くと2路線しかないという。(坂口光悦)

 

スタフ閉塞方式とは、ちょっと調べて来ました

 

スタフ閉塞方式

 

「スタフ」とは日本語で「棒」と言う意味で、

1閉塞区間につき1本しかない棒を使うことで、

1閉塞区間に走ることが出来る列車を1列車に限定すると言う、

極めて単純な閉塞方式です。 

 

スタフ閉塞区間の場合、

1閉塞区間に1本しかないスタフを持っている列車のみ、

そのスタフの閉塞区間に入れるようにしたものです。

なので、運転士や駅員の人為的な過失がない限り、スタフを持っている列車以外が

その閉塞区間に進入することはありません。

なお、スタフは基本的にそのまま「棒」を使うのが基本ですが、

スタフ閉塞区間と票券閉塞区間、タブレット閉塞区間が隣接する場合、

いちいちスタフ閉塞用の棒を用意するのも面倒なので、票券やタブレットで代用することがあります。

スタフ閉塞方式は極めて簡単で、自動閉塞のような保守コストも殆どかからないのですが、

スタフが1本しかないと言うのが欠点で、スタフが戻ってこない限り後続の

列車を走らせることが出来ません。

そのため、上り下り列車を交互に走らせなければならないなど、ダイヤ上の制約が出てしまいます。

しかし、上の図のような最終交換可能駅から先は終点も含めて1線しかなく、

行って戻ってくる1列車しか走りようがない閉塞区間は、設備投資や保守コストを減らすため、

今でもスタフ閉塞方式を採用しているところがあります。

 

現在では

JR東海の名松線(三重県)(家城駅~伊勢奥津駅)と

JR西日本の越美北線(福井県)(越前大野駅~九頭竜湖駅)のみである。

地方鉄道では、大井川鐵道大井川本線(静岡県)(金谷駅~新金谷駅)、

銚子電気鉄道線(千葉県)(笠上黒生駅~外川駅)、

小湊鉄道線(里見駅~上総中野駅)、

由利高原鉄道鳥海山ろく線(秋田県)(羽後本荘駅~前郷駅)、

長良川鉄道越美南線(岐阜県)(美濃白鳥駅~北濃駅)、

くま川鉄道湯前線(熊本県)(あさぎり駅~湯前駅)で使用されており、

由利高原鉄道とくま川鉄道では、交換駅を境に閉塞方式が違うため、

上下列車の交換の際には、終点駅から来た上り列車と起点駅から来た

下り列車との間でタブレットとスタフの交換を行なっている

 

動画 

 

【廃線決定】JR札沼線 石狩月形駅でのスタフ授受&出発合図 

 

さよなら札沼線 非電化区間 石狩月形駅 列車交換