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北海道に「ポツンと新幹線駅」 八雲町はあくまでポジティブ

2019.07.14 07:00 NEWSポストセブン

 

これから新幹線駅ができるなら、

駅前に商業ビルを建てるなどの周辺整備をしようと地元が着手するのが普通だろう。

ところが、北海道新幹線の新八雲駅(北海道二海郡、2031年開業予定)は、

あえて何も新しく建造しない、

北海道らしい絶景を楽しめる駅周辺の環境整備を行う予定だ。

ライターの小川裕夫氏が、函館市と室蘭市の中間に位置する

北海道酪農発祥の地・八雲町が駅からの眺めをセールスポイントにした

ポツンと新幹線駅」として独自路線を目指す狙いをレポートする。

 

中略

 

新幹線は地域振興に大きく寄与した。

新横浜駅は駅前が一面の田んぼだったが、新幹線開業とともに開発が進み、

いまやオフィスビルが立ち並ぶ大都会に変貌した。

「新幹線の停車駅なのに、駅前はまるでド田舎」と揶揄されがちな岐阜羽島駅も、

実のところ駅前はそれなりのにぎわいを見せている。

 そうした新幹線による地域振興の地域開発の力に着目する政治家は後を絶たない。

また、地元経済界も「新幹線の駅ができれば、わが町は活性化する!」と

新幹線に強く依存している。

それら新幹線信仰が、しきりに誘致活動を展開する原動力にもなっていた。

 人口減少や地方の過疎化が顕著になっている現在、

地域活性化の起爆剤として新幹線に一縷の望みを託したくなる気持ちは理解できる。

しかし、新幹線は万能ではない。新幹線の停車駅ができたからといって、

必ず地域が活性化するわけではないのだ。

 2016年に開業した北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅は、

一日の平均乗車人員が33人(2017年度)。

在来線時代は一日に利用者が1人いるかいないかという状況だったから、

それに比べれば大幅増といえる。

 だが、新幹線の停車駅に昇格すると、行政や周辺住民、観光関係者、地元経済界などから

期待を一身に背負う。そして、それなりの施設を整備する必要に迫られる。

 

中略

 

 

 新幹線信仰が薄れつつある中、2031年に北海道新幹線全線開業で

駅の新設が予定されている八雲町の新駅計画が話題を呼んでいる。

 酪農の町として知られる八雲町は、人口が約16,000人。

町の中心になっている八雲駅は特急列車が停車する。

八雲駅は札幌や函館といった近隣の大都市と八雲町とを結ぶ重要な交通拠点でもあるが、

駅周辺は市街地が広がっており、飲食店や生活品を販売する商店などが並んでいる。

八雲駅は生活の軸としても機能している。

 一方、新設される北海道新幹線の新八雲駅は、八雲駅から西に約3㎞も離れている。

「自動車を使えば新八雲駅まではそれほど時間はかからず、便利な場所にあると言えます。

しかし、市街地のはずれにあるので、町の人が頻繁に利用するとは思えません」と

話すのは、八雲町新幹線推進室の担当者だ。

 新幹線駅が開設される予定地の一帯は、農業利用以外が禁止されている。

そのため、新幹線駅が開業するにあたって、周辺を開発することはできない。

開発するには、都市計画を変更しなければならない。

しかし、八雲町はそうした動きを見せなかった。

「新八雲駅の周辺を開発することになったら、町のにぎわいを移すことになります。

それは非現実的ですし、新幹線のために町民の暮らしを壊すことになりかねません。

それでは、新幹線の駅ができる意味がありません。

そうしたことを踏まえ、町は新幹線駅周辺を積極的に開発しません。

あくまでも、最小限の施設整備にとどめる予定にしています」(同)

 八雲町が発表している駅計画図を見ると、

ホームからは一面に広がる牧場が見渡せるように設計されている。

牛や馬が草を食む風景が、新幹線駅前から見ることができる。

  

どこの自治体も、

「新幹線の駅ができたら、わが町は大都会の仲間入り!」と頑なに信じて開発計画を策定する。

「駅から見えるのは牧場風景だけ」というコンセプトの新幹線駅は前代未聞だ。

しかし、八雲町は田舎であることをネガティブに捉えはしない。

新八雲駅の計画は、あくまでもポジティブな考えに基づいて策定された。

「基本計画では、あくまでも八雲町が持つ牧歌的な風景や田園と

調和する景観を大事にすることを盛り込みました。

イメージ図には、ワイン工場や農場レストランも描かれていますが、

これは町が整備する施設ではありません。

あくまで、民間企業が進出する可能性も踏まえたイメージ図です。

それなので、ワイン工場や農場レストランは未完に終わるかもしれません」(同)

 新八雲駅の駅予定地には、下水道が整備されていない。

そのため、駅トイレは浄化槽を設置して対応する予定だという。

 利用者が少ないながらも廃駅にならずに頑張っている駅は、

鉄道ファンから秘境駅と呼ばれる。

昨今、秘境駅を巡るテレビ番組が人気を博し、

雑誌で特集が組まれるほど認知度は高まっている。

その結果、駅そのものが観光資源として再発見され、

秘境駅をめぐるツアー旅行が販売されている。

 市街地からはずれた牧場のど真ん中に、ポツンと新幹線の駅ができる。

人気テレビ番組「ポツンと一軒家」ならぬ「ポツンと新幹線駅」の新八雲駅は、

新幹線版の秘境駅のような存在として駅そのものが注目されて、

人気を集めるかもしれない。

 

確かに、新幹線駅の周辺をあえて整備しない、最低限の施設のみ整備して

あとは、民間企業の進出に期待しようという事のようです

 

 

周辺地図

でもこういえ新幹線駅も面白いと思いますよ

 

八雲町HP 新八雲駅建設予定地について

https://www.town.yakumo.lg.jp/uploaded/attachment/778.pdf

 

その他、八雲町HP 新幹線推進室のページに色々と乗っています。

https://www.town.yakumo.lg.jp/soshiki/shinkansen/