北海道新聞 釧路版に乗っている記事ですが

惜別の石炭列車 踏切撤去始まる 釧路

2019.07.02 05:00 北海道新聞 釧路版

 

踏切の遮断機を撤去する作業員=1日午前11時20分、釧路市千代ノ浦(小松巧撮影)

 

列車が走っていたのこの写真

 

国内唯一の石炭輸送専用の鉄道「太平洋石炭販売輸送臨港線」

(春採(はるとり)~知人(しれと)間)が6月末で廃止となり、

運行主体の太平洋石炭販売輸送(東京)は1日、釧路市千代ノ浦の踏切で撤去作業を始めた。

 作業は同日早朝から始まり、千代ノ浦にある踏切と信号機が撤去された。

3日中に踏切内の10mのレールを撤去し、歩道を整備する。

同社によると、市内に残り6カ所ある踏切と全長約4㎞のレールも

本年度中にすべて撤去するという。

 同線は1925年(大正14年)、

太平洋炭鉱で採炭していた当時の太平洋炭礦の関連会社が

選炭場がある春採駅と釧路港の知人駅を結ぶ約4キロで運行を始めた。

一時は旅客輸送も行い、86年から石炭輸送専用線に。

市民や鉄道愛好家から「石炭列車」として親しまれたが、

採炭量の落ち込みから廃止が決まり、今年3月末で運休した。

 石炭産業や鉄道に詳しい釧路市立博物館の石川孝織学芸員は

「いよいよレールが撤去され、さびしさを感じる。

日常の風景がなくなり、惜別の念を感じる市民も少なくないのでは」と話した。

(今井潤)