4月廃止の夕張支線・清水沢駅 122歳“最後の誕生日”

2019.02.19 14:23 北海道新聞 空知版

 

清水沢駅 駅名標

 

最後の誕生日にちなみ、122本のろうそくで照らし出された清水沢駅構内

 

 

清水沢駅 写真展

  

 【夕張】

JR石勝線夕張支線(夕張~新夕張、16・1㎞のほぼ中間にある清水沢駅は16日、

駅開業122年を迎えた。支線の4月廃止前の“最後の誕生日”。

同日、記念の写真展が始まったほか、

構内を122本のろうそくでともして祝うイベントも開催。

温かな明かりが、無人駅を発着する列車を出迎えた。

 夕張支線は1892年(明治25年)に開通。

清水沢駅は5年後の97年(明治30年)に開業した。

1911年(明治44年)には、清水沢と大夕張を結ぶ三菱大夕張鉄道が開業し、

分岐駅となった。

夕張が炭都として栄えた頃は、石炭の中継地点として、

石炭を満載にした貨車が構内を行き交っていた。

だが、乗客の減少で単線区間となり、2015年には無人駅化された。

 写真展「ありがとうさようなら清水沢駅展―あなたの思いで駅を送る―」と

ろうそくイベントは、清水沢地区で活動する一般社団法人清水沢プロジェクト主催。

 写真展は、駅や駅前の歴史を写し取った23枚の写真を展示している。

今はない駅売店もあり、にぎわう1970年代の駅の待合室や、

単線区間に2本以上の列車が入るのを防ぐため、

列車の運転士と駅員が「タブレット」(通票)を受け渡す様子などを紹介している。

 

「タブレット」(通票)

 

「タブレット」(通票)交換風景(旧・深名線 朱鞠内駅)

タブレット閉塞の仕組

 

 駅にまつわる思い出を来場者が自由に書き込むスペースも設置。

書き込みの量に応じてスペースを広げていく計画で、

初日から「清水沢駅の記憶はずっと私の中に残るでしょう」などと、来場者が書き込んでいた。

 写真展は入場無料で、支線の運行最終日の3月31日まで。

清水沢プロジェクトは、11年から駅舎で企画展示を行っており、最終回の今回が13回目。

佐藤真奈美代表は「鉄路はなくなっても、まちの歴史は続く。

一つの区切りとして、みんなの思い出で駅舎を埋めて、未来へつなげていくきっかけとしたい」と話す。

(藤田香織里)

動画 石勝線夕張支線清水沢駅の通票閉塞機

(非HD)清水沢駅でのタブレット交換

 

 

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