今日3月13日は、青函トンネルが開通した日です。

そして、今年は開業30周年です。

 

北海道新聞に載っている記事です。

 

 

海峡の道、未来へ 難工事 思いはせ 青函トンネル開業30年

2018.03.13 18:29 北海道新聞

 

青函トンネルからでてきた北海道新幹線 

 

 青函トンネル(53・85㎞)は13日、開業30年を迎えた。

工事期間24年、総工費約6900億円をかけ、延べ1400万人が工事に携わった

国家プロジェクトは、道内と本州を陸続きとし、旅客、物流の大動脈として定着した。

2016年3月には北海道新幹線が開業。30年度の新幹線札幌延伸に向け、

その重要性は一層増している。

■随所に安全の工夫 老朽化との闘い 一部施設公開

 JR北海道が青函トンネル内の一部施設を報道各社に公開した6日、

渡島管内福島町の吉岡斜坑口から青函トンネルに入り、最深部の排水基地や

吉岡定点(旧吉岡海底駅)の避難経路などを訪れた。

目の前を疾走する北海道新幹線の緑の車体に心をときめかせながら、

30年に渡り海面下200m以下の地底にある鉄路を維持する営みを見た。

(函館報道部 田中華蓮)

■3カ所で排水

 海面下145mの吉岡定点。「パン、パン」と警報音が鳴り、ホームに車体の安全性を

確認するセンサーの明かりがともる。

耳に圧迫感を覚えると、暗いトンネルの向こうが徐々に明るくなり、

本州へ向かう新幹線が右から左に、7秒ほどで目の前を通り過ぎた。音は意外と静かだった。

 本坑には、上下線にそれぞれ3本のレールが並ぶ。

軌道幅が異なる新幹線と貨物列車を通すための「三線軌条」と呼ばれる。

上下線の間に排水路があり、トンネルの照明がきらきらと水に反射していた。

気温は約20℃、湿度80~90%とじめじめしている。

トンネル内に塩分を含む湧水が染み出すためという。

 排水路を通った水は3カ所の排水基地に集められ、ポンプでくみ上げられる。

今回見た吉岡先進導坑入り口付近の基地は、海面下283mと最も深い場所にあり、流れてきた水が、

ゴポゴポと音を立てていた。

 JR北海道函館新幹線工務所の藤田敦志所長は「水は低い所に流れる。

非常時はここで集約して排水する」と説明。

トンネル全体で毎分20tという大量の湧水から守るための考え方で

「その構想で今もトンネルは守られている」と話した。

 列車が通る本坑に先んじて、地質調査や資材搬入のために掘られた先進導坑の

入り口付近に立つと、本坑とは打って変わり、乾いた風が吹き抜け、やや肌寒かった。

現在、先進導坑は換気と排水管の設置場所としての役割を持つ。トンネルの両端に換気装置があり、風速1メートルの風を常に送り込んでいる。

天井から塩の結晶やコンクリートの石灰分が水とともに染み出して鍾乳石のように垂れ下がり、

時間の流れを感じさせた。

■ゆがみ拡大も

 この入り口から約2キロ本州寄りの先進導坑で14年6月ごろ、外部の圧力を受けて、

地盤が弱い場所でトンネルがゆがむ現象が約60メートルに渡って確認された。

老朽化によってゆがみの範囲が広がる可能性もあるため、

昨年3月、鉄製ボルトを約100mの区間に打ち付ける対策を取り、継続して変形を監視しているという。

 北海道新幹線の開業を前に再整備された避難所も見た。

開業前、在来線特急の定員に合わせ約500人だった避難所の収容人数を、

新幹線の定員約700人を上回る千人に拡張。仮設トイレも従来の倍の30カ所に増設した。

地上と避難所を行き来する斜坑のケーブルカーも増やして1台から2台にし、

乗車人員を計15人から40人にした。

 避難所内で携帯電話を使えるようにするアンテナも設置されていた。

青函トンネル内で15年4月、特急列車が発煙したトラブルで、避難所にいた乗客からの苦情を教訓にした。

 北海道新幹線はさらなる高速化を追求する。貨物列車の荷崩れを防ぐため、青函トンネルを含む

北海道新幹線と貨物列車の共用走行区間(約82㎞)の最高時速が140㎞/hキロに制限されているが、

国は20年度までに、貨物列車の少ない時期のトンネル内に限り、200キロに引き上げる方針。

藤田所長は「速度を上げた場合にどんな問題が出るか、風圧などの検証が必要だ」と話した。

 

以下省略

 

写真

 

青函トンネルの位置

 

断面図

 

開業時に運行していて快速海峡

 

同じく 特急はつかり、485系 国鉄色

 

特急白鳥 485系リニューアル車両

 

特急 スーパー白鳥 789系0番台

青函トンネルの下敷き