毎月最終日曜日の読売新聞 日曜版に連載されている

「秋元康の1分後の昔話」今月のテーマは

高い壁~夢は人を強くする




「人生で壁に突き当たったら、どう乗り越えるんですか?」

講演の後で、質疑応答の時間に聞かれることが多い。

そういう質問には、僕はこう答えることにしている。

「壁に突き当たって、それを乗り越えられるほど、

僕は、立派な人間ではありません。

目の前に立ち塞がる高い壁を見上げて、絶望します。

乗り越えようなんて、強靭(きょうじん)な精神力は、僕にはありません。」



「ただ、いくつかの体験から学び、心掛けている事があります。


そこに立ち止まらないことです。


高い壁を見上げて、絶望しても、何も解決しないからです。



右往左往します。


じたばたします。


どんなに高い壁も、右か左か全力で走れば、どこかに切れ目があるんです。」


「じっと考え込むより、何か行動することが大切です。

走り回っている内に、かすかな希望の光が見えて来るんです」。


中略

その壁を乗り越えるのでもなく、迂回するのでもなく、突き破って進んだのが、

川栄、入山を始めとする、メンバー自身だった。


「夢をあきらめるわけにはいかない」。


その信念から傷ついた彼女たちは立ち上がり、前に進んだ。

壁の向こうから聞こえるファンの歓声が支えになったことは、言うまでもない。


6月7日、8日どしやぶりの雨の味の素スタジアムで

合わせて、14万人のファンが事件後初のAKB48を迎えてくれた。