電源の焼けたPC-98LT
今回は焼けたトランジスタを調査
 
これでは、まったくわかりません
しかも、配線図なんてありませんよね

結局、基板から回路を追っかけます。
まずは、トランジスタのベースに接続されている
ICから、TL7700
 
スイッチングレギュレーターですね 
回路図も付いてます
 回路を調べてみると
入力はこちらのACアダプタ
 
 10V入力です
バッテリーは
 
 7.2Vです。
出力電圧は
両方を使えるようにして、降圧型の電源で
出力側の電解コンデンサの耐圧も10V
規格表の出力電圧の計算式から
可変抵抗の最大と最少を入れて計算すると
6Vから5.5Vとなりますから
おそらく5Vが出力と思われます。

次に出力電流は
出力の電流を決定しているのは、R6とR7の抵抗値です。
R6は100Ωから、規格表の計算式から逆算すると
0.35Aとなりました。
もう一つR7からこちらは120Ω
同じく規格表の計算式を逆算すると
0.42Aとなります。
最大でも0.5A程度でしょうか
トランジスタは規格表からPNP型
どのタイプにしようか?
そんなことを思いながら、メインボードを眺めていると

 電源コネクタの横にPNP型パワートランジスタが
型番は2SA1385ですね。
こちらは修理品の手持ちで沢山在庫がある。
ラッキーですね。
規格は、Vcbo:-60V、IC:-5A、Pc:1Wです。
これなら大丈夫でしょう。
結果は大丈夫でしたが、それは後のことで
その前にとんでもない勘違いをして、修理に完了まで
2日悩むことになったのです。

焼けた電源は、同僚が分解して、更に
トランジスタも焼けていたため、外して
あったのです、これが間違いの元でした。
基板を調べてトランジスタのBCEも分かっていました
分かっていたのですが
基板を見て
 
 トランジスタの上側に放熱板があり
他のダイオードや、FETは放熱してありました。
こちらのトランジスタは、放熱板に接続されていません
しかし、私の頭ではすでに、トランジスタの放熱は
放熱板側と思い込んでしまったのです。
電源を入れても、出力は出ません。
その周辺回路を調べて回り、
制御用のトランジスタを交換したり
メイン基盤の
電源スイッチ回路を調べたりと
お手上げ状態、ついには、IC類が不良かも
しれないと、オシロスコープを持ってきて
ICの出力を確認
ベースにはちゃんと出力されています。
コレクタ側には出力がまったく出ません。
あれ?トランジスタ壊れたかな
外して測ってみると、大丈夫なようです
沢山あるので、新品に交換
しかし、駄目です。
もう一度オシロスコープで波形を見ながら
今度は、トランジスタの足から測定していると
なんでベースに波形が出ない?
ICからの出力はあります?
断線?
エミッタを見てみると、波形が出ます。
元のトランジスタはひょっとして、端子が逆だったのでは?
違います、単純にトランジスタの向きが逆です、
放熱板に放熱するように止めてあればそうなのですが
始めから分離されてましたので
こちらが正解
 
 私の2日間はなんだったんでしょう
単純に私の先入観念でした。
後は、液晶画面のヒンジのプラスチックもバラバラで
液晶画面が立たない状態だったので
受け側のプラスチックを多めの
エポキシパテで固めて
 
  タップでねじ穴を作って
ようやく完了でした。