公益通報者保護法改正への第1歩として「動き始めた実態調査(消費者庁管轄)」

~比較法研究センター


内閣総理大臣に対して、公益通報者保護法改正への勧告を行える権限を有すのは、内閣府消費者委員会です。その消費者委員会が、意見書を採択し、「公益通報者保護法改正を念頭においた、公益通報関連の裁判当事者・裁判所・マスコミ等に対する実態調査」が、消費者庁管轄にて行われています。


http://www.kclc.or.jp/


現行の「公益通報者保護法」は、とにかく難解な法律であり、サラリーマンなど一般の会社員等が簡単に理解できるようなものではないと思います。「公益通報」の定義、「公益通報者」の定義が、あまりに専門的領域・行為に限定されており、これと「内部通報」とのバランスが大きく崩れていると考えています。要するに、「難しすぎる法律」、「罰則規定がない法律」、「通報者氏名等の無断漏洩等を規制する条項がない法律」、「報復による権利侵害などが起きた場合、勤務しながら、会社を訴えることが前提とされている法律」である等・・・「なんでもかんでも保護するみたいな、一般の人に対して、勘違いを起こさせている法律」だと思います。


http://www.jil.go.jp/rodoqa/15_houmu/15-Q01.html


一刻も早い、「公益通報者保護法の改正=国会決議により施行5年目の見直しをすることとなっている」が必要であることに他ならないのは明らかであると思っています。


コンプライアンスヘルプライン、コンプライアンスホットラインなどの名称で、「内部通報制度(会社が費用を払って窓口担当を委託している、いわゆる「利害関係」のある弁護士との間の外部通報窓口も内部通報制度)」を有している企業等は圧倒的に多くなっている実態の中、この法律は、国民にとって、とても身近なものなのです。


皆さんが内部通報規程と公益通報者保護法を比較してみたことがありますか。


会社員が、内部通報関連報復などのトラブルに巻き込まれた場合、まず「労働法」、「労働関連判例法理(東亜ペイント事件最高裁判判例に代表される)」のベールに包まれてしまい、「裁判では、労働法で勝つ」ということが余儀なくされる場合が圧倒的である状況だと思います。