日本語のコースの説明で大企業のお偉いさんと会うこともある。
全員とは言わないが、お偉いさんは「こだわり」をもっている人が多いような気がする。
ヨーロッパ系アメリカ人のS氏のこだわりは筆記具。
説明が終わって、申込書に記入してもらう段になってこちらのボールペンを差し出した。
手ぶらで会議室に入ってきたように思っていたので、気を利かしたつもりだった。
S氏は申込書の上に載せたこちらのボールペン(日本製のごく平均的なもの)を軽く払いのけると
やおら背広の内ポケットから自分のボールペンを取り出して書き始めた。
大柄なS氏にふさわしく、大きくてどっしりした感じの重そうなボールペンだった。
「彼の指にはあのボールペンの存在感が必要なんだろうな」と思わされた瞬間だった。
そして、平均的な自分のボールペンがややミジメに感じられた一瞬でもあった。![]()