人は人・・・
「一ヶ月たつでしょ、エッ?」
「何が?」
「何がじゃないよ、キンエン。吸ってないんでしょ?家じゃ吸ってんの?エッ??」
昼休み、いつもの喫茶店。喫煙者檻の中。こいつら話題が無いといつも俺のキンエンネタ。しつこい。マッタク!
「俺もさ~、禁煙しよっか思って」
「やったら、人に相談いらないよ。やれば」
「ツメテ~~、電子タバコとかパッチとか、めんどくさそ~」
「そんなもんにたよるから、めんどくさいんだよ」
「でもさ、はい止めますって、やめられる? きっかけがないんだよな~。 肺に影出てますとか?」
「出てから禁煙しても遅いでしょ。出ると困るから止めんだよ。自覚症状がないんだったら吸ってれば」
「ツメテ~~、お前、自覚症状あったの?検診とか?」
「検診じゃないけど、確かにあったね」
走り始めたのが一ヶ月前。なぜ走り始めたのかは定かではないが元陸上部だからだ??
100メートルもいかないうちに咳き込む。止まらない。
嘔吐感が凄い。2度も3度もだ。
うずくまり、涙目。喉が苦く、ヒリヒリしてくる。しばらく動けない。
この胸の圧迫感はなんだ?何か異物が詰まっている、そんな感じだ。
ニコチン。
これ以外にない、直感した、何故か。
ダメだ、このまま吸ってたら走れる体を取り戻せない。
禁煙は過去100回以上やってるが3日が限度。
禁煙をやる理由が無かったからだ。
そのうち禁煙をしている自分が馬鹿馬鹿しくなっていつの間にか・・・。そんなことの繰り返し。
「だから俺にも走ってみろか?? 俺、元陸上部じゃ無いし」
人間はいくつになってもそれなりに走れて当然なのだ。
50になっても、70になっても、それこそ100になっても。
それが人に備わった命を維持する為の基本的な機能なのだ。
日常生活の中で走る必要にせまられることはまずといっていいくらい無い。
町の中で走っているのは佐川のお兄ちゃんたちだけだ。
「そ~じゃなくて、動機付けだよ、自分に対しての」
「例えば??」
「俺はお前じゃないんだからわかんないよ、そんなこと。 探せばなんかあるんじゃない?」
「例えば??」
・・・・・・・・。
3人とも暫し沈黙。なんとなくイラツク!?