大屋根に茅葺き民家が特徴の白川郷「合掌造り」。
田畑、水路、山の中に点在する合掌民家は、妻側の位置が揃って軒を連ね、他にない景観を生み出し、訪れる人を魅力しています!

江戸時代から明治にかけて養蚕業で栄えたこの地域。

養蚕需要の低下により、集団離村や火災ダムの底への水没などにより、合掌民家は減少を続け、

1950年には940棟だったのが、現在は240棟と1/4になっています。
 
重伝建指定も受けて、現在では観光の街として賑やかな人の往来があります。
観光客の半分くらい外国人の方々で、世界遺産の名の通り、海外の方々にとっても魅力ある街となっているようです。

 

■合掌造りについて

豪雪地の雪落としをしやすくするため、急こう配の屋根。
その結果生まれた屋根裏スペースを2階、3階として、養蚕の生産場とした構造です。
生活と生産の場としてつくられました。
地域の方々は、蚕と火薬で富を得たので、大きな家が建てらもとも言えます。

 

■合掌民家のつくり方について
合掌造りは大工棟梁と村人との合作でつくられます。
梁柱の軸組は大工棟梁が施工。
そのあとの小屋組、屋根づくりは村人による共同作業。今でいうDIYです。

屋根は木部を縛り緊結。藁と木の紐にて結ばれています。

屋根裏骨組の建築美に目がいきます。

茅の葺き替え時は、結い(ゆい)と呼ばれる地域の共同作業で行われます。
大人数で取り掛かり、1日で葺き替えるそうです。
現地でちょうど、葺き替え作業を目にすることができました。
(お寺の修復のため、専門業者による修復です)

 

■合掌民家の構造
合掌梁の上に置かれた、うす梁にダボ穴だけで緊結。

 

礎石の上に柱を建てる石場建てに加えて、柱梁と屋根の結合もゆるい構造体で、

地震や風にはしなりで耐える建物だそうです。

現在の建築基準法には適用外となる先人の知恵です。
 
外部からみえる2階3階の窓は、養蚕づくりのための換気と灯り取り。
窓の位置がある妻側は、風を通すため、川沿いの上下位置にあります。
この規則が、展望台からみて整った街の風景になっています。 
 
■間取り
おくどさん(台所)やかまどがなく、
ふたつある囲炉裏のひとつを使い、食事づくりは行ったそうです。

囲炉裏の上には、火あまがあり、いぶす、乾かすが行われてきました。

 
■和田家
庄屋をしてきた和田家じゃ格調高い合唱づくり。
武士用の玄関があったり、床の間付きの座敷が設けれた、重要文化財です。
玄関まわり。

家族用玄関。

客用。

座敷。

客用座敷。



■白川郷合掌造り民家園
荻町の離村集落を集めた屋外展示の民家。

 

■住宅以外の合掌づくり。

正面の門と鐘。

本堂。

 
■梅香庵合(茶室(白川郷合掌造り民家園から))
網代天井に本格的な茶室。