京都四条通りに面する、郭巨山町会所。
祇園祭の山鉾の一つ「郭巨山(かっきょやま)」の拠点で、郭巨山町の町家となっている京町家です。

幕末の禁門の変で焼けた後、
明治になって再建後、近年までそのまま活用されていました。
しかし、手狭や耐震強度の課題があり、このほど増築工事が行われました。

現行の建築法規では、明治の京町家は増築が不可です。
これを解消するため、京都市には歴史的建築を建築基準法適用除外とする条例があります。
当町家は、歴史的文化価値を見出され、この適用を受けて増築工事が行われ、伝統継承が実現しています。  

□工事前(郭巨山町会所HPより)
□増築後
新旧の建物が一体に見えるデザインが行われています。
一方で増築箇所が分かるように、屋根材等、材料を変える工夫がされています。
周辺は京都らしいこのような町並み。
市内中心部の京町家は、解体されて、
ビルやマンションへの建て替えに歯止めがかからずにいます。
経済合理性だけにしか目がいかないと、どうしてもこのようになってしまいます。

建物への思いを持って方々が、このように何とかして残し活用しようとする取り組みを広げていきたいものだと思います!