高山寺、紅葉の名所京都高雄の周山街道にある華厳宗のお寺。
創建は奈良時代で京都でも古刹のお寺ですが、
石水院や鳥獣人物戯画など、モダンさを感じさせる雰囲気があります。
■石水院
鎌倉時代創建の国宝で、世界遺産。
鎌倉期に高山寺を隆盛させた明恵(みょうえ)上人時代の遺構です。
経蔵兼社殿として使われていたものを、山洪水の建物被害があり、明治22年(1889年)に現在地へ移築され、今に残ります。
廃仏毀釈の厳しい環境だったなか、
石水院だけは、との思いがあったのではないか、と推測します。
入母屋造の檜皮葺きの屋根に向拝(ごはい)柱が建てられた外観には、清楚ながらの品格を感じます。
石水院は国宝ながら、
内部各所が閲覧でき、
おおらかに拝観者を利用させてくださる雰囲気があります。
□縁側まわり
建具を開けると縁側まわりが庭で一体となった開放的スペース。
時計が止まったような時間が流れます。
奥行き深い外廊下が、座敷と縁側をつなぐスペースに。鎌倉建築と思えないモダンさを感じます。
□ 廂の間
正面玄関の床は、屋久杉。
いつどのようにしてこの材が使われたのか、定かでないとのこと。
この部分は、立ち入りNGです。
鎌倉時代の湛慶作の可愛い子犬。
重要文化財なのに、普通に展示しているところが、高山寺らしいおおらかを感じます。
運慶作の大仏があった本堂が室町時代に応仁の乱で焼失。
その後、1634年に仁和寺のお堂を移築されたもの。移築後400年近くになります。
入母屋造、銅板葺。
皇室ゆかりのお堂でもあり、清楚な上品さがあります。
■金堂への石段
金堂は境内の最も奥まった場所にあって、
勾配の急な石段は、熊野古道のような雰囲気があります。