伏見稲荷大社の社家が一棟残されていて、見学機会がありました。

荷田春満(かだの あずままろ)という江戸時代中期の国学者の生家です。

写真の楼門を入ったすぐ右側にあります。

■荷田春満旧宅
平屋建て書院造りの旧宅。
1615年竣工で、築400年になります。

江戸時代には、
社家という神職の住居が参道沿いに建ち並んでいたそうです。
荷田の生家であったことが今に唯一残された理由のひとつだそうです。

特徴は、神事舎(しんじや)という社家内に神様を祀る建物。
現存する唯一のものだそうで、
この建物があるから、国史跡に指定されていることを伺いました。

※内部撮影はNGですので、以下の写真は書籍「姿勢 荷田春満旧邸」からです。

外観は、比較的控え目です。


客間も控え目ながら、

花頭窓は、書院と庭をつなぐこだわりがみられます。

真正面からみると、額縁を切り取ったような庭園のすがたが見えます。
棟梁の思いがみてとれます。

なお、荷田春満は、神官の次男であったため神職にはつかず、京都と江戸を行き来して、『万葉集』『古事記』『日本書紀』などを研究し、
儒学の古学のもと、復古神道を提唱し、国学四大人といわれ存在になったそうです。