東寺、
五重の塔を京都のシンボルとして目にします。

創建は、時代をさかのぼり1200年前、
平安京の遷都とともに建立された官寺、当時の国立寺院で、現代に唯一残る平安京の遺構です。

空海、足利尊氏、豊臣秀頼、徳川家光、など歴史の名だたる方々の舞台となったところ。

国宝、重要文化財からなる世界遺産で、日本の宝と言ってもよいと、思います。

唐で新しい仏教、密教を学んで帰国した弘法大師空海が、嵯峨天皇から託してつくった寺院がその始まりです。

■御影堂(みえどう)
東寺の造営にあたって空海が住房を構えお住まいだったところ。
檜皮葺の屋根がとてもきれいな室町南北朝時代の入母屋造。国宝指定です。

司馬遼太郎が京都に来られた際の待ち合わせをここで行ない、街に出られたとのこと。その感性には共感するものがあります。

御影堂では、いまも毎日、当時と同じように、一の膳、二の膳、お茶を出しておられるそうです。

「東寺に来られたら、まず御影堂にお参りください。お堂に上がり、ひととき弘法大師空海とお話しください。」と紹介があります。
その静かな雰囲気を感じます。

室町期の上級住宅を、今目にできる感動があります。
軒まわりは簡素な垂木、建具は蔀戸(しとみど)や妻戸(つまど)。

■五重の塔
木造の建造物としては日本一の高さ55mは、京都のランドマーク。

新築時の伐採で、
苦労があったとの伝がありますが、
その後4回の焼失後、
1644年に家光が再建したものを今、目にしています。

ストゥーパ、という供養のために仏舎利を安置した仏塔を起源とされ、
空海が唐より持ち帰った 仏舎利(お釈迦さんの遺骨)が納められているそうです。

このように建てたのでしょうか!

内部は、
心柱にはすの絵、
江戸初期に描かれた曼荼羅の世界を今に見ることができます。
※写真は東寺HPより


■小子坊(ちょうしぼう)
昭和9年に皇室を迎える迎賓館として建てられたもの。
東門には菊の御紋が。



西側、蓮花門(れんげもん)は開かずの門で、一般道路に面して、さりげなく国宝となっています。


庭園は、七代目小川治兵衛の作ながら、未完成のまま現在に至るそうです。

内部は、堂本印象が襖絵を描いています。
※写真は東寺HPより