滋賀の三井寺、光浄院客殿に足を運ぶ機会がありました。
1601年に建立された、お寺の迎賓館。
書院造の代表的遺構として国宝に指定されてます。
 
■人と自然をつなぐ粋な建築
狩野派の襖絵で飾られた室内から、大きな広縁が広がり、
そして、一段下がった落縁に接するように池の水際が迫り、山を背景とした小庭がつくられています。
広縁には、軒を柱1本だけで支えられていて、開放的な場が創られています。
 
訪問時は雨が降っていて、屋根から池にしたたる水の音が、また風流なものでした。
雨の日が素敵な建築、というものもあまり聞かないように思います。
 
日本人の感性と技術が集結した、
とても粋な建物です。
関ケ原の戦いの翌年竣工とは、想像ができないものです。
 
■狩野派の障壁画で飾られた室内
客殿内は、狩野派による障壁画で飾られていて、
上座の間には、金箔の枝葉を広げた松と滝の落ちる山水が描かれていて、
竣工当時の豪華な室内がそのまま残されています。
 
上質のお客を迎えて丁寧に利用され、また大切に維持保全してこられたのだろう、と思いました
障壁画は重要文化財のため、見学にも気をつかう思いです。
 
上段の間は最高級のもてなしをする方をお迎えする場だったのでしょうか?
ここに座り、庭を眺めていたものと思います。
 
屋根は檜皮葺きがそのまま維持されています。
修復には億単位の費用がかかるそうで、
国宝のため国の補助があるものの、お寺にとってもご負担が大きなご様子でした。
 
※写真撮影はNGのため、三井寺HPの写真を掲載しています。