大阪府南部に、辰野金吾設計で現存する数少ない木造建築の温泉旅館「南天苑」があります。
南海天見駅のすぐ近くで、難波駅から40分ほどにある里山風景のなかにあります。
歴史は、
1913年(大正2年)に堺にレジャーランドとして建てられた後、
1935年(昭和10年)に堺から移築され今に至っています。
築108年とも、築86年とも言えます。
辰野金吾と言えば、
東京駅舎、日本銀行などのレンガ造などでは、目にします。
木造ではどのような建築をつくったのだろうか?
その空気感を追いかけました。
■外観
108年前のかたちがそのまま残っています。
ずっしりと落ち着いた控え目な外観。
その控えめな理由は、
新築時は本館との横に、家族風呂や休憩室として建てられた別館だったためと思います。
当時の写真です。
左は本館、右は別館(現南天苑)。
本館は辰野らしさを感じる、和洋折衷の凝ったデザインです。
(写真は、南天苑HPより)
■玄関まわり
外観は当時の雰囲気なのでしょうか、やや控えめです。
エントランスまわりは、旅館らしい雰囲気があります。
どこまでが辰野時代のデザインか、記録に残っていないようです。
■客室
108年前の辰野デザインのまま残る客室が数室残っています。
和を基調としてた数寄屋風に、モダンなデザインが見られます。
1室毎にオリジナルデザインをしたのでしょうか?
辰野らしさの空気感を感じます。
□2階の部屋
□1階の部屋
■南天苑: