京都の萬福寺。
江戸時代に入ってきた禅宗の黄檗宗の建築が現在に残されています。

特徴は、中国様式のデザインや技法が直輸入されているもの。
日本の他の寺院では見かけないもので、明治開国時のレンガ建築のように、江戸時代の方々にはビックリするような建築だったのでは?、と思います。

創建当初の姿を、伝える寺院は、主要建物23棟、回廊、額、聯などが重要文化財に指定され、まさに文化財の宝庫です。

■総門

萬福寺に着くとまず目にするのが、総門。

これをみて、他の寺院と違った印象をまず持ちます。

本瓦葺きの上には、お城のようなシャチほこ。

しかししっぽがなくシャチではなく、まからだそうで、防火の意味合いがあるそうです。


大雄寶殿(だいおうほうでん)

萬福寺の本堂であり、最大の伽藍。日本では唯一最大のチーク材を使った歴史的建造物です。

チーク材は、南アジア、東南アジアから大柱が当時運ばれ、日本にないものをつくろうとした、半端でない想いを感じます。


歇山重檐式(けっさんじゅうえんしき)


蛇腹天井(じゃばらてんじょう)

「黄檗天井」と呼ばれるアーチ形の天井で、龍の腹を表しているそうです。


■法堂(はっとう)

禅寺における主要伽藍のひとつで説法を行う場所。

瓦葺きだったものが、最近の工事改修で創建当時の姿に戻されています。


開山堂

石畳、白壁、卍の勾欄が目に入ります。

氷裂文の石畳は、同じ形の石はまったくありません。

細かいところまで形を合わせてあり、江戸時代にアクロバットの施工をしています。


他の寺院では見られない、中国様式のデザインがたくさん見られて、とても興味深いものです。


勾欄(こうらん)

開山堂・法堂正面の勾欄は、卍及び卍くずしの文様になっていて、中国スタイルのデザインを感じるところです。江戸時代初期に黄檗を通じてもたらされたものです。

□法堂

□開山堂

■石條(せきじょう)

境内に縦横に走っている参道は、正方形の平石を菱形に敷き、両側を石條で挟んだ特殊な形式をしています。


■円形の窓



扉に彫られた「桃符」と呼ばれる桃の飾り


開梆(かいぱん)と雲版(うんぱん)