前回までに引き続き、大阪香里園の八木邸をご紹介します。
■家具が残されている
八木邸の特徴は、
建築家藤井厚二がデザインした
家具、カーペットなどの調度品が、90年前のまま残されていることです。
藤井厚二の建築デザイン一式がパッケージとして残されていることに意義があります。
90年間、一般住宅の家具が使い続けられ、残されることは稀だと思います？
■残された理由は？
その幸運な稀が実現したことには理由があります。
まずは、建築主の家族が住み続けたこと。
賃貸や売却されると、家具はなくなってしまうからです。家具にとっても幸運でした。
さらに、建築主が藤井が設計した家具を大切にし続けたことも大きな理由です。
90年間カーペットを使うことは、普通では想像できないことです。
建築主の八木氏は、藤井が設計したものを使い続け、また残すことを大切にされたそうです。また、家に手を入れること（改修や交換）を、嫌がったそうです。
設計者の建築家と建築主に強い信頼感があってからだからこそ、だと思います！