八木邸のご家族の方から話しを伺うことができました。
90年前の建築主八木氏のお孫さんです。
この家で、生まれ育ったそうです。

二階建ての家で、階段が両サイド二箇所あります。
子どもの頃、
家の中をぐるぐるとまわれるので楽しかったそうです。
 
建築主のおじいさんは、
お孫さんに「この家は藤井厚二が設計した家なのだよ」と子供のころから言い聞かせていたそうです。

また、つくられたそのまま使うことを大切にされていたようで、藤井がデザインしたものから改修することや家具を交換することなどを嫌がったそうです。
このため、内装、家具、建具などが建築時のまま残されています。
 
藤井が設計した家を大切にし、思い入れがあったことが分かるエピソードです。
そして、その気持ちを家族が受け継いだ、ご家族も大切にされてきたことが分かります。

設計者と建築主が思いを込めた家づくりを行い、ご家族もその思いをくみ取る。
その結果、90年間家具ごと使われて、残されてきた八木邸。

時代を超えて残る建築のすがたです!

■聴竹居と八木邸の見学について
事前予約すると見学ができます。見る価値がある建築です。
見る順番は、藤井デザインのフルスペックがある聴竹居を見て、その2年後に建てられた八木邸の順番で見ると分かりやすいと思います。