酸が突っ走るクヴァルツィット
今夜は久しぶりのペーター・ヤコブ・キューン。
2021年産のエストリッヒ・リースリング・トロッケン「クヴァルツィット」。
葡萄はエストリッヒにあるドースベルク(Doosberg)、クロスターベルク(Klosterberg)、レンヒェン(Lenchen)から。
これらの畑は腐植質が豊富で、所々が粘土質の黄土やロームで、灰色の珪岩が点在しているのだそうな。
少し黄色がかったレモンイエロー。注ぐと非常に細かい気泡がグラス壁下部を曇らせるように付着。
スパイシーで鼻にツンと来るフローラルな香りが支配的で、スワーリングしても果実香はほとんど感知出来ない。
アタックからアフターに至るまで派手に主張する、予想外にシャープで力強い酸。
果実味は相対的に細身で、ミネラル感も酸に圧倒されているのか目立たない。
まぁ舌の上に残るホロ苦さに淡白なミネラル感の存在を知る程度かな。元より酸主体の味筋は大歓迎なのだが
ビオ生産者に時たま遭遇するこのツンと来るフローラルなスパイシーさは、個人的にちょっと苦手。
時間とともに香りに少し蜂蜜が顔を覗かせる。それにつれて果実味にも厚みが加わってバランスが良くなる。
それにしても酸が強いなぁ。
抜栓3日目。果実味が肉付きを増して初日よりバランスは良くなるが、強靭な酸は健在。
フローラルな風味も少しは和らいだか。相変わらずミネラル感の吟味は難しい。
抜栓6日目になっても相変わらず酸が突っ走って、今ひとつテロワール感に欠けるのが玉に瑕。85/100
(過去のヴィンテージ→2020、2019、2018、2017、2016、2015、2014、2009)
2021 Oestrich Riesling Qualitaetswein trocken - Quarzit -
Weingut Peter Jakob Kuehn (Oestrich/Rheingau)
A P Nr 29 248 003 22,Alc 12%vol