揃って地味~に良い仕上がり | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

揃って地味~に良い仕上がり

9年3ヶ月ぶりに、2012年産「ヴァイル兄弟」の2本を並べて開けてみた。(前回はこちら→

ロバート・ヴァイル醸造所のキートリッヒャー・クロスターベルク&トゥルムベルクのリースリング・トロッケン。

 

 

でもこれが意外と熟成感出てないのよね...

で、葡萄が熟し過ぎない畑と葡萄がしっかり熟す畑、並べて飲めばテロワールの違いは歴然。

加えて、嗅いだり飲んだりする度に「お~、熟成してるなぁ」なんて如何にも古酒然とした、そんな瓶熟ではなく

地味~に良いワインに仕上がっているのがしみじみと感じられる、そんな通好みな2本だった。

 

2012 Kiedrich Klosterberg Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Robert Weil (Kiedrich/Rheingau)  
A P Nr 34 003 031 13,Alc 13%vol  


少し黄色がかったレモンイエロー。細かい気泡がグラス壁にビッシリと付着。

香りはペトロールっぽい鉱物と熟したアプリコットが主体で、スワーリングするとナッティーに変化。

 

旨味たっぷりの果実味に、一瞬マヨネーズのニュアンスが有って吃驚。酸にはしっかりと凝縮感がある。

苦汁系のサッパリとしたミネラル感だが、硬さはあまり感じない。

比較飲みして初めてそれと判るレベルの相対的にペトローリーな香味。

フレッシュな頃には決して無かった、肩の力の抜けたちょっと緩い味わいが良い感じ。

 

抜栓2日目。若いナーエ産リースリングの後に飲むとそのストレートさがよく判る。直線的で硬質な味わい。

だが、つくづく9年ちょっとじゃそれほど熟成感は出ないもんだなと。87/100

 

2012 Kiedrich Turmberg Riesling Qualitaetswein trocken  

Weingut Robert Weil (Kiedrich/Rheingau)  
A P Nr 34 003 032 13,Alc 13%vol  


相対的に僅かに濃く、少し黄金色がかったレモンイエロー。細かい気泡がグラス壁にビッシリ付着。

若干酸化したニュアンスのナッティーな香りだが、総じて閉じ気味で

時間とともにやや開いて干し葡萄やブランデーを感じさせる、そんな香り。

 

口当たりもナッティーで、相対的に肉厚な果実味とこれまた凝縮感のある酸、

そして収斂性の強いミネラリッシュな味わい。軽い梅の花のニュアンス。

時間が経つにつれて飲み口は重くなるが、酸の存在感が増す。

 

抜栓2日目。レーズン感が増して味わいの各要素が混然一体となった完成度の高さ、安定感がある。

抜栓3日目。香りはやっぱりナッティーで濃い。これまた熟成感には乏しいが9年3ヶ月前より断然良い。87/100