真っ当な熟成甘口
今夜はガパオライス、という事で久しぶりに甘口を。
先日2002年産グリュンホイザー・アプツベルク辛口の長熟さに驚いたばかりだが
さすがにあれはちょっと規格外の美魔女ぶりだったので、普通に古酒然としたのが飲みたくて選んだのが
2002年産ゼーリガー・シュロス・ザールシュタイナー・リースリング・カビネット、だったという話。15年ぶりに抜栓。
少し緑色のトーンの感じられる明るい黄金色。グラスに注ぐと細かい気泡がパラパラ壁に付着。
香りはペトロールを前面に、熟したアプリコットやパイナップル、鉛筆の芯などを感じさせる綺麗な熟成香に
軽いミントのニュアンス。スワーリングすると香りは強度を増して、熟成感満点。
口当たりは柔らかな果実味と、意外にアッサリめの残糖。ザール産らしい存在感のある酸は
当たりが程好く優しくなってはいるものの、凝縮感があって良く伸び、アフターにも長く持続する。
やはり2002年産は酸が秀逸だ。そのせいで甘さを強く感じないのかも。
ミネラル味は舌ではなく、専ら風味として嗅覚に鉱物感・熟成感として訴えかけて来る感じで
実に良い感じに熟成している。飲み頃感あり。
温度が上がって来ると、控えめながらもホロ苦いミネラリッシュな余韻。
抜栓5日目は柑橘の風味が半端無い。もちろん甘口なのだが
食事をする際にも普通なら邪魔になる筈のこの甘さが、ちっとも邪魔にならないのが不思議。
熟成って凄いなぁ。89/100 (その他のヴィンテージ→2009年産、2008年産、2007年産)
2002 Serriger Schloss Saarsteiner Riesling Kabinett
Weingut Schloss Saarstein (Serrig/Saar)
A P Nr 3 555 014-9-03,Alc 8%vol,7.50€