ヘルデンのセカンドワイン
さて、今夜はリーザーの2015年産シュペートレーゼ・トロッケンでも開けてみるか...
と、ボトルを手に取り何気なくキャップシールのネック部分に目をやると、ん?「VDPグーツヴァイン」と記してある。
あーなるほど、いくら一級品のシュペートレーゼでもVDPの辛口カテゴリーに当てはめると行き場が無いって事?
サブタイトルには「ヘルデン」とあるので、葡萄はニーダーベルク・ヘルデン畑からのものだろうけれど
このヘルデンという畑は所謂VDPグローセ・ラーゲ、つまりグランクリュに認定された畑なので
GGに使わなかったとは言え、質の良い葡萄を広域ワインに混ぜて出すのが忍びなかったという事だろうか。
所謂「セカンドワイン」ってところだな。
そのあたり醸造所HPに何か情報でも?と思って見たところ、これに関しての記述は無いがHPが一新されている。
中でも目を惹いたのがオーナーのトーマス・ハーク一家の家族写真。
娘さんも息子さんもガイゼンハイムの醸造学校に行っているそうで、後継者も順調に育っている模様。
前にも書いたがモーゼル中流域界隈の銘醸畑も8か所を数えるまでに規模を拡大しており、まさに順風満帆。
緑色がかった明るいレモンイエロー。注いだグラス壁には細かい気泡が比較的たくさん付着。
トップは硫黄っぽい鉱物や酵母の香り。スワーリングすると奥にあるリンゴや黄桃、柑橘、
そして蜂蜜の香りが顔を覗かせる。好きだなぁこういう香り、妙に懐かしくて。
口当たりはジューシーで肉付きの良い果実味。
酸にも凝縮感があって果実味とのバランスは良いが、意外と伸びないか。例年に比べるとかなり大人しめ。
ミネラル味は果実味と一体化して吟味し辛いが、柑橘の薄皮系のホロ苦い後味となって暫し口の中に留まる。
やっぱりリーザーのこの辛口シュペートレーゼ、相変わらず美味いよなぁ。裾物に混ぜられずに済んで良かった。
残糖8.0g/l、酸量8.3g/l。いやはや、酸は寧ろ2014年産を上回っているんだよね、相変わらず味覚っていい加減。
翌日も溌剌とした酸とフレッシュな果実味のバランスが心地良い。程好く鉱物的で飽きの来ない香味。
翌々日。果実味が更に厚みを増し、相変わらずの凝縮感。87/100
(過去のヴィンテージ→2014年産、2013年産、2012年産、2011年産、2010年産、2009年産、2008年産)
2015 Riesling Spaetlese trocken - Helden -
Weingut Schloss Lieser (Lieser/Mosel)
A P Nr 2 589 314 05 16,Alc 12%vol,17.00€