キュンストラーの赤 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

キュンストラーの赤

ラインガウのキュンストラー醸造所が赤ワインを造っているとは、つい最近まで知らなかった。
日頃ドイツワインに関してはアンテナを拡げ、真新しい情報は出来るだけキャッチするよう努めているつもりだが
やはりネット情報だけが頼りの自宅飲み専科には限界がある。(...って、昔から造ってるみたいですけど)
もっと外に出て世の中の流れを体感するようにしないといけないなぁ、なんて反省してはみるものの
じゃあいったいどこへ出向けば良いと言うのか。この辺にはなかなか友達も居ないしねぇ...。(*´Д`)=з

まぁそんな事はどうでも良いとして、キュンストラー醸造所では作付けの14%がシュペートブルグンダーだという。
もちろん85%はリースリングで、残りの1%だけシャルドネを造っているという話だが(ゴーミヨ誌の情報)
某ネットショップでは高価なキュンストラーのソーヴィニョン・ブランも売られているので
やっぱりゴーミヨー誌の情報はつくづく好い加減なモノである。(と言いつつ毎年買っているが・苦笑)
ま、あんまし期待しないでスクリューキャップを捻ってみた。



赤紫色がかった深みのあるルビー。意外に濃い。香りは香木や革っぽさが主体であまりフルーティーではない。
口当たりはしっかりと充実した目の詰まった果実味で、これに見合うボリュームの酸とタンニン。
ドイツ産にしては抽出過多気味?とも思えるタンニンや果実味が細かいアラを隠しているのだろうか。
とにかく果実の肉付きが素晴らしい。いやいやどうしてどうして、なかなか美味いじゃありませんか。

小細工無しの直球勝負的な味わいながら
クラシックなシュペートブルグンダーに有りがちな苺っぽさは微塵も無く
南の産地のそれにはない冷涼感もあって、強いて挙げればフランケン産のシュペートブルグンダーに近い?
いや、あまり偉そうに言える資格は無いけど、オレゴンのピノ・ノワール的なイメージだろうか。

3日後も果実味とタンニンがしっかりとぶつかり合って酒質に衰えは見られない。
初日に比べると酸はやや引っ込んで、果実味は更に存在感を増した印象。
温暖化の影響で、ラインガウの中でも比較的標高の低いライン河沿いの畑は
シュペートブルグンダー栽培に適した環境になりつつあるのだろうか。
ラインガウ産シュペートブルグンダーに対する(個人的な)やや否定的なイメージを覆す1本である。86/100

因みにキュンストラー醸造所では、ホッホハイムのシュタイン(Stein)とライヒェスタール(Reichestal)の畑の
各々約30%の区画でシュペートブルグンダーを栽培しており、ヘレ(Hoelle)にも少しだけ植えられているとのこと。
シュタインとライヒェスタールのシュペートブルグンダーGG、期待出来そうなので今度買ってみよう。

2013 Spaetburgunder Qualitaetswein trocken - Tradition -
Weingut Kuenstler (Hochheim/Rheingau)

A P Nr 40 060 015 15,Alc 13.5%vol,11.68€