サッサと飲んでおかねば | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

サッサと飲んでおかねば

前にも書いたが変に几帳面な性格なもので、何事も順序にこだわるのが常である。ワインに関しても然り。
余程の事が無い限り、裾モノから上級キュヴェへときちんと段階を踏んで行かない事にはどうにも居心地が悪い。
これがVDP加盟醸造所の辛口なら、まずはグーツヴァインを飲んでから次にオルツヴァイン、エアステラーゲ、
そしてグローセス・ゲヴェクス(GG)へと飲み進めて行くのが(自分の場合は)定石である。

そんな訳で下位クラスの入手が遅れると、そのヴィンテージを一通り試すのが大幅に遅れる事となり
最終的にGGに到達出来ないまま新しいヴィンテージへと突入する羽目になる(融通が利かない)。
今夜はエムリッヒ・シェーンレーバー醸造所のオルツヴァイン格、2013年産リースリング・トロッケン「ミネラル」を。
2012年産は結局GGを飲めないまま現在に至っている。兎に角サッサと飲んでおかないと次には行けないのだ。


緑がかった明るい黄金色。グラス壁に細かい気泡が多数付着。
香りはアプリコットや黄桃系のさほど熟し切っていない果実が主だが、鉱物のニュアンスもハッキリと感じられる。
僅かに蜂蜜を感じさせる一瞬も。

まず何よりも口当たりの凝縮感が印象的。攻撃的ではないものの、ギュッと濃縮されてパンチ力のある酸。
果実味はまぁ不足を感じさせないレベル。鋼のような金属的な触感のミネラル味は凝縮感のある酸と協調して
中盤以降からアフターに至るまで柑橘の薄皮以上の苦渋さを長く舌の上に留める。重心は中のやや下。
ミネラル>酸>果実味 という構図の、名前に違わぬミネラリー・リースリングである。

翌日は果実味が前に出て全体のバランスが若干向上。
但しバランスが良くなると親しみ易くなる半面、没個性的と言うか全く以て普通な感じ。85/100
(過去のヴィンテージ→2012年産2011年産2010年産2009年産2008年産

いやはや、どんどん飲んで行かないとそろそろ次の2014年産が出回り始めるような時期である。
1月は行き、2月は逃げ、3月は去る。本当によく言ったもので、毎年この時期は追い立てられるような気分である。

2013 Riesling Qualitaetswein trocken - Mineral -
Weingut Emrich-Schoenleber (Monzingen/Nahe)

A P Nr 7 748 066 08 14,Alc 12%vol,13.36€