泡立ちは本格的だが中身は...保留 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

泡立ちは本格的だが中身は...保留

下手に複数のボトルを開けて比較飲みなんかしてしまうと
酒量制限のある身では、その後しばらくの間そればっかり飲まないといけなくなって閉口する。
昨晩やっとの事で前出のプファルツ2本を飲み干して、今夜は連休前だしのんびり泡モノでも開けてみるか。

マキシミン・グリュンハウス醸造所の2012年産ゼクト・ブリュット。
毎ヴィンテージという訳ではないものの、グリュンハウスでは概ねワインリストから絶やさないように
自家葡萄や時に買い付け葡萄を使ったゼクト(Sekt)、つまりスパークリングワインを販売している。

これまではルミュアージュ(動瓶)やデゴルジュマン(澱抜き)の工程を省いた
瓶内発酵方式、つまりフラッシェンゲールンク(Flaschengaerung)によるゼクトだったが
この2012年産ゼクトは所謂クラシッシェ・フラッシェンゲールンク(Klassische Flaschengaerung)
つまりシャンパーニュ方式により造られたものだという。価格設定も従来より2割ほどアップしている。

もちろんドザージュはグリュンハウスのリースリング・アウスレーゼを使用。
仲間内での評判も上々のようだが、さていったい造り方が違うとどれほど変わるものなのだろうか。


緑がかった明るいレモンイエロー。泡立ちはなかなかしっかりしていて本格的。これまでとは明らかに違う。
酵母を主体にリンゴ系の地味な果実香と、若いリースリングにはあまり感じられない木質の落ち着いた香り。
まるで数年瓶熟させたような雰囲気である。そして土臭いシーファーのニュアンス。

口当たりは予想外に柔らかで、酸も穏やか、果実味も中肉やや細めの印象。
これに対してミネラル味は珍しくフレーム感がハッキリしていて重心も高い。これが炭酸の効果なのだろうか。
まずはミネラル味が先行したバランス。時々フッと残糖を感じさせるような蜂蜜の香味がある。
但し若干シンプルな感じは否めない。酸がそれらしく伸びないのと、ミネラル味に今ひとつ奥行きが無いせいか。

なるほど、例年のゼクトよりは良いかもしれないが、さりとて特筆すべき内容でもないような気が...。σ(^_^;)
まぁ瓶熟させてどうなるか試してみても悪くないかな?という程度。
所詮は2012年産のモストだからあまり多くは望めないんだろうなというのが正直な感想。
徐々に焦げ臭いシーファー風味が全開。対照的に微かに桃系のフレーヴァーを感じる一瞬もあってホッとする。


翌日。意外にまだまだ泡立ちがしっかりあるが、舌の上での炭酸感はかなり微弱になっている。
酸がやや主張を増しているが果実味は相変わらずスマートで、舌の奥にミネラリッシュな苦味を感じる。
初日に比べてどっしりとしたボディを感じるのは、グッと冷やしたせいだろうか?85⇄86/100

まぁ何本か追加で買って経年変化でも追ってみるか。懲りずにこんな事ばっかり、ワンパターンな男ですわ。

2012 Maximin Gruenhaeuser Riesling Sekt brut
Schlosskellerei C. von Schubert (Mertesdorf/Ruwer)

A P Nr 3 536 014 21 14,Alc 12.5%vol,16.80€


おまけ。今夜の我が家の食卓。
かぼちゃの鶏そぼろ巾着、鯛のカルパッチョゆず胡椒風味、豆腐と魚介の和風あっさり煮