ゼーンズッフトの対象とは | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

ゼーンズッフトの対象とは

ここのところ何かと神経を擦り減らす事が多くて、のんびりワインを愉しんでいる余裕が無かった。

おかげでボトルの消費ペースが落ちているが、これからは気候も良くなるし連休もボツボツあるので

酒量を守りつつ、また修行に勤しんで行きたいものである。


さて連休前の今夜は、年明け早々に開けて肩透かしを食った 格好のコレを。

フランケンのホルスト・ザウアー醸造所 、2011年産ジルヴァーナー・トロッケン「ゼーンズッフト」。

Sehnsuchtとは、辞書で調べると「あこがれ、憧憬、渇望」の意とある。

造り手がいったい何に憧憬の意を持ってこのキュヴェを造ったのか?

そういうのを少しでも感じ取ることが出来れば、飲み手冥利に尽きるのだが。


緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

スクリューキャップ。緑がかった明るいレモンイエロー。

トップノーズは熟した黄色いフルーツで、これにスモーキーかつ木質の樽っぽい香りが加わる。

スワーリングすると青リンゴや洋梨などの若干青っぽい果実の香りが立つ。


口当たりは青いバナナを思わせる果実味で非常に柔らかい。酸も非常に穏やか。

ほんのりオークの風味を感じつつ、甘味を湛えたふくよかな味わい。

なるほど、これなら年明け早々に開けた時と違ってバリック風味がそれと判る。

時間が経過するに従いナッティーな余韻が長くなる。シャルドネを飲んでいるような感覚と言えば良いか。

やっぱり目指すところは「陽の当たる場所」?そういう事なんだろうか。


翌日。初日よりオークの香りがいくぶん明瞭となり、甘苦いジルヴァーナーらしさが素直に出た味わい。

8ヶ月前と比べると、果実味がやや落ち着いて漸く本質が見え始めたという段階か。

未だ出来上がってない感は明白で、少なくともあと数年は寝かせないと有るべき姿は見えない気がする。

早開け禁物のワインって、こういうモノのことを言うんだろうな。87/100

(過去のヴィンテージ→2010年産


2011 Silvaner Qualitaetswein trocken -Sehnsucht-

Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)

A P Nr 4397-050-12,Alc 14%vol,18.00€