イギリス・ロンドン 心理カウンセリング・アートセラピー

イギリス・ロンドン 心理カウンセリング・アートセラピー

英国アートセラピー協会 (BAAT)・HCPC公認アートセラピスト
UKCP認定インテグレティブ・アーツ・サイコセラピスト
辛いココロを癒す 日本語での心理カウンセリングや
英国のアートセラピーを、フィンチリーセントラルで提供

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新年明けましておめでとうございます。皆様にとって、良い一年になりますように。

 

私は、コロナ渦でも対面式のアートセラピーを提供してきましたが、この年末、ロンドンでは悪天候や鉄道のストライキ等が続いており、対面でお会いしている既存のクライアント様にお越しいただけない日程に、オンライン、Zoomでのセッションを提供させて頂く機会が増えました。

 

現状では、クライアント様側で画材等をご用意頂き、セッションを行っております。また、セラピーの内容に合うようでしたら、まだ不慣れですが、画面共有機能でこちらのオンラインでの箱庭(Sandplay)も利用できるかと思います。

 

 

実際、オンラインでのアートセラピーというのは、ご家族と同居されている場合のプライバシーの問題や、非言語の表現や対話というのが比較的難しくなると思います。セッション会場まで通う事が困難な方でオンラインでのアートセラピーにご興味がございましたら、一度ご相談いただけたらと思います。

大変ご無沙汰しておりました。ゼントナーみちよです。 

 

以前ブログを掲載したのが2017年で5年の年月が過ぎてしまい、ご心配をおかけしました。この5年の間での変化と近況をお知らせしようと思います。

 

前回のブログにて、北ロンドンのハイゲート・マズウェルヒル地区(ポストコードN10)にて、アートセラピーのコンサルティングルームのお話をさせて頂いたのですが、現在は、フィンチリーセントラルの、フィンチリー・セラピー・プラックティスでのアートセラピーの提供のみとなっております。N10地区の方が地理的にご都合がよろしければ、英語対応になりますが、アートセラピストをご紹介できますので、ご相談いただければと思います。

 

その後、NHSやプライベートの精神科の病院で主に働いていた時期がありました。2020年、UKCP (UK Council for Psychotherapy) の認定(Accreditation)を受ける事ができまして、UKCP認定インテグレティブ・アーツ・サイコセラピストとして会員登録させていただいております。https://www.psychotherapy.org.uk/

 

UKCPへの登録は、心理療法士/サイコセラピストが訓練を受けたコースを提供する大学経由で、卒業後3年以内に450時間以上の臨床時間を経た後に申請します。私がアートセラピーの修士コースを受けていたIATEより、UKCP認定会員の登録許可を頂きました。

 

イギリスでコロナウイルスのパンデミックを迎えた私も、病院での仕事は続けておりました。内来病棟の勤務ですので、2021年の2月辺りの1か月間を除いては、ずっと対面での仕事を続けております。その時々の波の起伏に対応しながら、規制が緩まったり、また厳しくなったりと目まぐるしかったのですが、最近は大分落ち着いてきています。

 

イギリスでは、街頭の皆さんはほぼマスクをしていませんが、病院のスタッフは引き続きマスク着用しなければならないので、私も病院での仕事はマスクを着用しており、抗原検査も定期的に行っています。

 

現在フィンチリーセントラルでのアートセラピーではマスクを着用しておりませんが、着用も可能ですので、ご希望の旨をお知らせください。空気清浄機も稼働させて頂いております。また、パンデミック以来、セッションで控えさせていただいていた箱庭とポストカードの提供を、今月より再開させていただきました。皆様からのご予約をお待ちしております。

 

 

Finchley Therapy Practice
294-296 Nether Street, N3 1RJ

最寄駅:地下鉄ノーザン線フィンチリーセントラル駅より徒歩1分


JPArtTherapy.uk | ゼントナーみちよ
英国アートセラピー協会 (BAAT)・HCPC公認アートセラピスト

UKCP認定インテグレティブ・アーツ・サイコセラピスト
http://www.jparttherapy.uk/index_jp.html

ご無沙汰しておりました。ゼントナーみちよです。 

 

おかげさまで、北ロンドンのハイゲート・マズウェルヒル地区(ポストコード N10)にて、新しいアートセラピーのコンサルティングルームが加わりました!

 

 

閑静なクィーンズ・ウッドという公園内に設置された、木造のセラピールームです。実際に画材や箱庭がテーブルにセットアップされたセラピールームは、上の写真のような感じです。
 

クィーンズ・ウッドは、有名なハイゲート・ウッズという公園の、バス通りのマズウェルヒル・ロードを挟んで反対側にあります。地元の方々は、賑やかなハイゲート・ウッズに比べてクィーンズ・ウッドを「暗い側の森」と呼んでいるそうですが、セラピールーム自体は窓が多く自然光がたくさん入ってきて、よく茂った森の緑を背景に癒される空間です。

 

クィーンズ・ウッドの公園の入り口を入ると、すぐ左手にカフェがあって、セラピールームはカフェの裏手を少し登った建物(キャビン)です。キャビンの周りはエコ家庭菜園になっていて、ここで採れた野菜を使った軽食がカフェでいただけます。この前頂いたキッシュは美味しかったのでおすすめです。

 

The Eco Cabin 
(Queen's Wood Cafe裏) N10 3JP

最寄駅:地下鉄ノーザン線ハイゲート駅より徒歩5分

現在、月曜日10時~2時からのセッションを受付中です。


引き続き、フィンチリーセントラルにて、金曜日12時~2時セッションを受付中です。

Finchley Therapy Practice
294-296 Nether Street, N3 1RJ

最寄駅:地下鉄ノーザン線フィンチリーセントラル駅より徒歩1分


各コンサルティングルームでのアートセラピーのご予約お待ちしております。

 

JPArtTherapy.uk | ゼントナーみちよ
英国アートセラピー協会公認アートセラピスト
http://www.jparttherapy.uk/index_jp.html

 

辛い気持ちに向き合う、というのは本当に苦しいですよね。 そんな時、アートセラピーや心理療法でおなじみの「メタファー」を取り入れた場合、問題解決に近づくかもしれません。

なぜかというと、セラピーでのメタファーやシンボルは、実体験をありのまま話す事なく、浮かんできたイメージの中で比喩的に問題に向き合えるツールで、無意識(潜在意識)と意識の橋渡し役となる力をもっているからです。

また、メタファーの匿名性を活かすことによって、恥ずかしかったり回避したくなるような辛い事でも、探る勇気が沸いてきたり、大胆な表現ができたりします。

そして、思いつくまま辛い問題を表現しようとすると、いろんなイメージが支離滅裂に出てくるかもしれません。

…大丈夫!実はイメージが混沌としている方が、「自分」と向き合ういいチャンスなのです!

無意識の中のイメージは、過去と認識済の記憶や、危険を感じて回避した未解決(でも現在進行形のまま)の記憶などで混沌な状態が自然なのです。

セラピー中に、このようなイメージは、絵などで表現する前の対話で浮かんできたり、おもむろに絵や箱庭でイメージを作りながら、出てくるかもしれません。図でイメージが沸かなくても、詩を書いたり、歌にしてみても。決まったやり方はなく、あなた流で。

たとえば、セラピーの中で、「水」というのが、思い向くまま出てきたイメージだったとします。ここから「水」をメタファーとして、さらに具体的に一緒に連想したり、探ってみます。

この水は、どんな水?味はある?色は?においは?温度は?
この水をどうなる?流れる?どこから来て、どこに行きたい?


・・・などと、水自体の様子を探ったり、

さらに「土」のイメージも出てきたら、

水が土に触れたら、落ち着く、怖い?ワクワクする?
どんな感覚?潤すのか、汚す?

それとも土は泥状で水から解放されたい?日照りが続いてカラカラ?

・・・などと、水と土の関わりを探ったりできます。

イギリスのアートセラピーでは、イメージを、ユング派の「元型」等と関連して意味を深めていく手法もありますが、私は必要と感じた時は取り入れる時もあったり、あまり重要視しない時もあります。

メタファーで探るイメージは、今辛いと思っている状況に直結していないかもしれないけれど、無意識に近い所で探るので、きっと自分らしさに近づける体験ができるのでは?

そして、セラピーでメタファーを探った体験から、実生活の辛い時に行き詰ってしまった時に、選択肢があるのでは、と視野が広がるかも。

自分らしさに気づき、受け止め、どのように変えてみたいのか、と想像しながら、アートで形にする作業を重ねる事で、あなたの中で閉じ込められていた辛さが和らいでいく体験をしてみませんか?

ロンドンの、フィンチリーセントラルのコンサルティングルームで、お待ちしております。

 

JPArtTherapy.uk | ゼントナーみちよ
英国アートセラピー協会公認アートセラピスト
http://www.jparttherapy.uk/index_jp.html

 

前回、愛着理論とアートのカンファレンスの記事の中で、ジョン・ボルビィの愛着理論(Attachment Theory)は、イギリスのアート心理療法で多く取り入れられている事を書きました。このジョン・ボルビィの愛着理論は、イギリスの心理療法にも多く取り入れられているのですが、実際メンタルヘルスにどのように役立つのかを説明したいと思います。

 

愛着理論は、1950年代ジョン・ボルビーによって、ダーウィンのような動物の行動を観察した動物行動学をヒントに、母と幼児の心の関連性を観察し、どのように親子の絆が情緒の発達するかを考えました。行動学と、基の心理療法とは分野が異なるため、当時の心理療法士からは異端児扱いされていたみたいですが、現在のイギリスの心理療法士や心理カウンセリングを提供する慈善団体やソーシャルワークのトレーニング等で多く取り入れられている理論であると思います。

 

自分の身に危険を案じて不安を感じた時や、辛い時、あなたはどのように安心感や安全を得ようとしますか?この安心感を得るために、どのような行動に出るのでしょう?

 

大人になっても、子供時代に得た行動が基になって、現在の行動に反映される場合も多いと考えて、不安な状況に対応する行動にまず気づいてあげる事が大事ととらえます。

 

そして、どのようにこの行動や対応の仕方に工夫をしたら、より健康的に安心感を求める行動を体験できるか、というのを探ってみたりします。

 

ある人は、親しい感情を伝える事や、助けが必要な時にお互い頼りあったりする事ができて、自己や対人関係にたいして、ポジティブなイメージをもっているので、一人になった時や、他人に受け入れてもらえない状況でもあまり気にしない行動パターン(安心型/secure)がみられるようです。

 

また、ある人は、親密な対人関係を求めている反面、親しい関係の中で価値観や親密度のズレに不快・不安になり、相手からの反応や受容などを多く求める行動パターン(不安型/anxious–preoccupied)がみられる事があります。自己や対人関係にたいして、安心型の人よりもややネガティブなイメージをもち、自己イメージの方が対人関係のイメージより低いです。相手からの反応が足りないと、自己イメージに悪影響し、高ぶった感情を表したり衝動的な行動がみられるようです。

 

また、ひとりでも平気で、自立精神が強く、大変な時でも自分でなんでもこなす事が大事と感じる人は、他人が助けを求めた時に自分に頼られる事があっても、他人に頼る事は自立を妨げると感じる事から愛着を回避する行動パターン(退去-回避/dismissive–avoidant)がみられることがあります。基の愛着対象(母)から安らぎを受け入られなかった体験から、対人関係の必要性に否定的だったり、愛着をはぐくむような感情を表すのを抑えたりするようです。自己イメージは高い反面、対人関係のイメージは低いです。

 

性的虐待など、対人関係にかかわるトラウマを経験された方に多く、親密な対人関係は不快なのに、親密になりたい反面、親しくなりすぎると相手に傷つけられるという不安から、信用できないまま、相手に頼ってしまう行動パターン(恐れ-回避/fearful–avoidant)。退去-回避の人のように感情表現を抑えて、自己と対人関係にの両方に対してネガティブなイメージ強く、愛着をはぐくむ行動を疑ってしまうようです。

 

この愛着理論をセラピーに取り入れた時にどうなるかを端的にまとめると、

  • 自己イメージや対人関係のイメージが低くなっている部分や不安な状況に対応する行動に気づく
  • そして、セラピストとの対話ややりとりを通じて、辛い、不安な状況に対して一緒に向き合い、いたわる体験をする
  • この経験を重ねていくうちに、すこしずつ自己イメージや対人関係のイメージがポジティブな方向へ向かっていく
  • 不安になった時、安心型のパターンに近い対応方法(earned secure)を身に着ける事で、生活の中でのメンタルヘルスの改善になっていく

どうでしょうか?

 

感情を言葉に表すのが苦手で難しいけれど、今の辛い状況からの解放感、安心感を体験してみたい方は、アートなど、言葉以外の「イメージ」で表現しながら、一緒に辛い気持ちをいたわってみませんか?

 

ロンドンの、フィンチリーセントラルのコンサルティングルームで、お待ちしております。

 

JPArtTherapy.uk | ゼントナーみちよ
英国アートセラピー協会公認アートセラピスト
http://www.jparttherapy.uk/index_jp.html

 


コンサルティングルームのご近所、アベニューハウスの庭園で冬の朝日を浴びる

 

英国アートセラピスト協会BAATが主催するカンファレンス、「Attachment & the Arts Conference」に出席してきました。研修生時代の同期の何人かと再会できたのもうれしかったし、アートセラピストが何百人も集った会場に行くのは初めてで、感慨深かった一日でした。

 

https://www.facebook.com/pg/thebaat/photos/?tab=album&album_id=1154078237978913

 

このAttachmentは、ボルビィの愛着理論をベースした様々なアート心理療法のプレゼンテーションでした。アメリカから来たドナ・ベッツさんの、ボルビィの愛着理論の観点からみたアートセラピーアセスメント方法は、表現された絵だけでなく、それにまつわるストーリーも書いてもらい、合わせた形を取っていました。イギリスとアメリカのアートセラピー界はあまり交流がなかったらしいのですが、ここ近年ソーシャルメディアの力で距離が近くなり、このプレゼンテーションが生まれた、とのエピソードを伝えてました。

 

その他に、親子で一緒に参加型や、親とのフィードバックセッションを交互に行ったりする方式のアートセラピーのセッションのケーススタディのプレゼンテーションがありました。愛着理論とアートセラピーの共通点が多くあり、対話が難しい人と、絵を描く作業とできた作品を観ながら対話する事で、共同注意(Joint attention)の機会を増やすことで、セラピー空間に安心感を増すことができる、というプレゼンテーションでした。

 

いろいろなプレゼンテーションの中で、私が関心した事は、パーソナリティ障害の元クライアントだった方も専門家と肩を並べて、治療の一環だった18か月のグループアートセラピーでの自分の経験と書いた絵と一緒にプレゼンテーションしていた事です。彼女のセラピストもメンタライゼーション・セラピーで活躍しているアートセラピストで、会場にいました。

 

愛着理論は、厳密にいうと、心理療法というよりは、観察した行動を基にした理論で、私もアート心理療法に取り入れている理論のひとつです。このカンファレンスで、イギリスのアートセラピー界では多く取り入れていれられている理論である事を深く感じました。愛着理論については、また改めて書こうと思います。

 

日本人コミュニティでもある北ロンドンの、地下鉄フィンチリーロード駅から徒歩圏内の住宅街に、フロイト美術館があります。心理療法の父的存在のフロイトが、戦争難民で1938年にロンドンに来て、この美術館の建物に約1年ほど亡くなるまで住んでいました。フロイトの娘の児童心理療法士のアナ・フロイトは同じ家に40年近く住み、彼女の死後、美術館となりました。

 

一階のフロイトの職場では、有名なカウチ(ソファ)が置いてあったり、遺跡から発掘されたフィギュアがあちらこちらに置いてあり、フロイトはセラピー中にこのフギュアをなでたりしていたそうです。このような、対面で長い間直視するのを和らげるセッティングが、セラピーでクライアントの深い心理の層を模索する環境に手伝っているとのこと。アートセラピーも、画材を介して行うので、対面からくる緊張を和らげる効果あるので、繋がる点があるなあと思いました。

 

写真内の中心の机の椅子は、ヘンリーモアがデザインした椅子で、フロイトが決まった座り方をするのに都合が良いように造られたようです。展示物の保存用ということでカーテンが閉められているのですが、実際には、心理療法中、大きな窓から日の光がたくさん入りこんでいたようです。私が訪れた日も、イギリスの秋晴れで日光が心地よく、階段や二階は明るく暖かかったです。

 

二階には、ダリが描いたフロイトの絵があったり、アナ・フロイトが織物や編み物を好んでしていたのは、心のメカニズムの隠喩(メタファー)としていたエピソードが書かれた展示物もありました。私も美大でテキスタイルを学んだので、何か親近感を感じました。

 

Freud Museum London

20 Maresfield Gardens
Hampstead
London NW3 5SX
開館は水~日曜 12-17時

 

私が取り入れているアートセラピーの理論について、すこしずつ紹介していこうと思います。

 

イギリスのアートセラピーは、心理療法(サイコセラピー)の一種で、研修も、心理療法の考え方や理論をたくさん学び、臨床に取り入れていきます。

 

大部分のイギリスのアートセラピーでは、フロイト(Freud)、ビオン(Bion)、クライン(Klein)、ウィニコット(Winnicott)の精神分析学、対象関係論と、ユング(Jung)の分析心理学が主に取り入れられている理論です。もし、一般的なイギリスのアートセラピーの実態や理論を知りたい、という方は、この本をおすすめします。

http://amzn.eu/2Nl8SPZ

この本は改訂版ですが、この前版を、私がアートセラピーの研修を始めた時はたくさん読んだり、課題の参照に使いました。NHSの事など、イギリス国内事情に照らし合わせた内容も含まれていて、アメリカで出版された同様の本とはまた異なると思います。アートセラピストが必要な知識がざっくりと全体的に網羅されている、数少ない一冊だと思います。

 

私は、イギリスで唯一の「統合的介入法(Integrative Psychotherapy)」と融合したアート心理セラピーのコース、IATEで、 これらのアートセラピーで用いられる心理療法の理論に加えて、他の人間性(humanistic)心理学を統合して臨床に取り入れる方法を学びました。

https://artspsychotherapy.org/

 

私のウェブサイトでも述べていますが、その中でも、パールズ(Perls)のゲシュタルト療法と、ボルビー(Bowlby)の愛着理論を取り入れています。これらは、イメージや絵に表現されたものだけでなく、行動に現れている表現をも統合して、生きづらさや苦悩に気づいてあげられるような作業を、セラピーのセッションで行います。ゲシュタルト療法と、愛着理論については、また改めて個々に説明したいと思います。

 

統合的介入法は、端的に表現すると、自分のいろんな要素につながりをみつけていく、ということを目的としていると思います。自分らしい事なんだけど、自分では罪悪感や否定的にとらえていたり、他人の目が気になりすぎて恥の要素が強いために抑制しようとすると、その部分を切り捨てようとたり、隠したり、忘れようとします。このような心の動きを続くと、精神のバランスが崩れてしまうので、そんな自分の部分を見つめてあげる作業をすこしずつ行っていく事で、自分のいろんな要素がつながっていき、生きづらさが軽減していく、ととらえています。

 

私が統合的介入法を取り入れている理由は、個々の生きづらさや苦悩は、千差万別であって、一般的に良いといわれる療法に当てはめるより、個々の問題に近い方法を一緒に考えていくからです。アートセラピーのセッションでは、クライアントのみなさんには、専門的な知識は必要ではなく、私もセラピーに役立つと判断しない限りは説明しません。クライアントのみなさんは自分自身のエキスパートであり、そこがスタート地点ととらえているので、どんどん自分らしさを安全なセラピーの空間で表現していってほしいです。

 

 

ロンドン・アートセラピー・センターは、研修中の時から、スーパービジョンでお世話になっています。以前は北ロンドンのアーチウェイというところにありましたが、今年の10月までから中心地のキングスクロスから徒歩5分くらいの所へ引っ越ししました。

 

ロンドン・アートセラピー・センターは、一般の方もセラピーが受けられるほか、研修生やセラピスト向けのワークショップやスーパービジョンも行われています。イギリスのアートセラピーはNHSやボランティア団体、教育機関等で行われる事が多い中、ロンドンでアートセラピー専門のグループ診療センターはここだけかと思います。

 

The London Art Therapy Centre

http://arttherapycentre.com/

Pioneer House, 46 Britannia St, Kings Cross, London WC1X 9JH

 

スーパービジョンは、アートセラピーには欠かせず、定期的にセラピーをどのように行っているかをスーパーバイザーに報告します。これは、クライアントとセラピストが安全にセラピーを行える環境であるかを確認するのにとても大事だと思います。

 

どの心理療法でもスーパービジョンは欠かせないのですが、イメージや絵、言葉以外に表現された事から、無意識が何を表現したいのかを一緒に考える事もあります。これは、心理療法では言葉で表現する事を重視するのとは対照的です。


私は北ロンドンでアート心理セラピーを提供していますが、北ロンドンでは遠いと思われる方は、こちらでも日本語でのアート心理セラピーも提供できますので、私に直接ご連絡、ご相談下さい。

info@jparttherapy.uk
07796 505216

イヤーズ&イヤーズは、ロンドンのヒットチャートラジオ局、キャピタルラジオを聴いていると、よくかかっているエレクトロ・バンドで、ここ数年人気が出てる中、ボーカルのオリー・アレキサンダーが、ガーディアン紙のサイトで、NHSでのメンタルヘルスサービスで受けた薬物療法・心理療法の経験をインタビューで語りました。

https://www.theguardian.com/society/video/2016/jan/26/olly-alexander-owen-jones-mental-health-nhs-video

 

彼はうつ、不安感、摂食障害と幻覚を含む様々な症状に悩まされ、家族もメンタルヘルスに悩ませられている中NHSからのサービスをすぐに受けられない不満、そして不安感には認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy; CBT)が効果的だと思う等の意見を述べていました。

 

NHSでは、セラピーをリクエストする場合、認知行動療法を勧められるケースが多いようです。これは、有効性を数値化しやすいセラピー=コストパフォーマンスが高いとして、多くのNHSサービスで取り入られているようです。よく、IAPTというサービスで提供されています。
http://www.iapt.nhs.uk/

 

オリーのように、旬のアーティストがメンタルヘルスを語るというのは、インタビューで彼も言っているように、「語ってくれてありがとう」という反応が多く、共感を呼ぶのと、才能のあるアーティストでも、一般の人たちでも、もっとメンタルヘルスの事を語れる社会になってくれたらと期待がふくらみます。

 

オリーの同インタビューの記事についても、こちらのi-Dウェブサイトで日本語で書かれているのでご参考までに。

https://i-d.vice.com/jp/article/years-years-olly-alexander-speaks-out-about-body-image-issues

 

ちなみにイヤーズ&イヤーズのアルバム「Communion」もおすすめです。