「八重の桜」の最終回で、
八重さんが国民感情を戦争へと新聞で煽る、徳富青年に対し、
「あなたのいう国とは何ですか?」と問う。
そして、夫であったジョーのいう国とは、
目の前で暮らす一人一人であり、そこには人種も性別もないことを語る。

そのシーンが脳裏に焼きついているが、
自身が暮らす国とは何かを考えてみるには、
ちょうどいい時期なのかもしれない。

首相が参拝して胸をなで下ろす人たちがいる一方で、
憤懣を募らせる人たちもいる。
物事には必ず裏と表があるわけだが、
その影響の及ぶ先の先まで考えているのだろうか。

私の手もとに、
中国で暮らす日本人留学生への危険を心配する便りが寄せられた。
とりこし苦労であってもらうといいが、
それは、日本で暮らす中国人留学生についても同じであろう。
または日中の間でビジネスで生きる人たちもいる。
もしかしたら、家族が双方にいる人たちもいよう。

もし、そうした人たちと何かを天秤にかけて判断するとしたら、
今でも、八重さんに苦言をいただくことになりはしないか。

かつて「万葉集」を学ぶ大先輩から、
その中にある和歌の話をしていただいたことがある。
高台に登り、周囲を見わたすと家々から白い煙が立ち上る。
それを見て、誰もが今朝も朝食の米を炊いていることで安堵する。
そういうリーダーの心の和歌である。

すぐには思い出せないが、その和歌が浮かんだらここに掲げてみたい。
年の瀬、慌ただしく新旧へと年が変ってゆきますが、
どうか、みなさんが無事故で、健康で、よい年を迎えてられますよう、
心からお祈り申し上げます。